wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

2011-01-01から1年間の記事一覧

山泰幸・川田牧人・古川彰編『環境民俗学』

古書店でたまたま見かけ、タイトルと何人からの大物執筆者の名前と、何よりも定価の約1/4という安さに惹かれて購入したものだが・・・、期待していたものからすると大外れ。レビューとして紹介されているのはオーソドックスな環境民俗学なのだが、編者の…

服部龍二『日中国交正常化』

昨日は学会で午前中から二報告と討論(途中で昼食休憩と史料ネットの報告も)、全体会懇親会に部会懇親会と続き、いろいろな方とお話しできた。今年度は部会に全く行かなかったため身近な方も久しぶりで、10年ぶりぐらいの先輩をはじめとしてまさかという顔…

大泉啓一郎『消費するアジア』

昨日は別の記事を立てたため、電車読書の備忘録を記しておく。本書は書店で見かけて購入するかどうか迷ったのだが、統計資料が多数掲載されていたため衝動買いしてしまったもの。現代のアジア経済を見る際に、一国単位で捉えるのではなく、所得・消費水準が…

大阪住まいのミュージアム「第1回HOPE展住吉・平野郷・田辺」

本日は仕事前に上記展示会を見学する。割と大々的に宣伝されていたのでもう少し何か掘り出し物があるかと思ったが、ほとんどは既知のもので、住吉については去年の市美で出ていたものばかりだった。それ以外にビデオスペースで地元の方の回想が流されており…

小林英夫『日本の迷走はいつから始まったのか』

本日は授業終了後に雑用があり、四日連続で夕食は外、帰宅したのは九時過ぎで、家の雑用を処理しているうちにこの時間になってしまった。学生から集めたカードの処理というルーティン・ワークすら昨日から積み残したままで明日以降に持ち越しになりそうだ。…

寺内直子『雅楽を聴く』

土日は連続して別のクローズドの研究会・飲み会が続く。いろいろ勉強になったし、何れも旧知のメンバーといろいろ話ができて盛り上がったがさすがにきつい。そういうわけで本書は昨日には読み終えていたが、ずれ込んでしまったもの。まず雅楽について説明が…

藤井穣治『天皇と天下人』

本日は午前中に授業を済まし、一年半前に提出した自治体史原稿の初稿打ち合わせがあり(疑問点を指摘されたがすっかり忘れている)、久しぶりに北山で史料閲覧に浸る。そんなこんなで往復の電車で読み終えたのが本書。この間に関係すると思われる論考が著者…

武田尚子『「海の道」の三〇〇年』

昨日読み終えブログを書き出したが、あらすじを追っかけすぎて一時間かけても終わらないという時間の無駄をしてしまったのが本書。瀬戸内海・鞆の向かい側に位置する田島・横島について、島を基盤としながら外に出て行く生業である近世中期からの五島列島で…

相国寺旧境内・上京遺跡

本日は表題の現地説明会のために京都へ出かける。部屋を出てからクリーニング屋に出す予定のワイシャツを忘れているのに気づいて取りに戻るなどバタバタしたが、その間に雨が止むというけがの功名。まず阪急大宮駅で降りてバスで堀川通りを上り、一畳戻り橋…

斉藤利彦『試験と競争の学校史』

某所で紹介されているのを見て、後期の授業で予定しているライフサイクル論で利用できないかと考え、原著は1995年刊で新装文庫版だったが新刊で購入するhttp://www.bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2920433。明治の小学校が試験漬けで、成…

国立国会図書館関西館

今日も北山は休み。河原町丸太町でもよかったのだが、このところ気にかかっていたことがあり、地下鉄・近鉄を乗り継いで新祝園駅へ。近鉄は相変わらず高いが連絡はスムーズで、駅でもスルッと関西がつかえないものの奈良交通バスはすぐに接続していた。訪れ…

平雅行『歴史のなかに見る親鸞』

本年度は親鸞を宗祖と仰ぐ教団関連の大学で講義を持たしてもらっている。いまのところ講義で仏教関連は六勝寺・御願寺領ぐらいしか取り上げていないが、理論武装のためということもあり購入して読了したもの。著者の親鸞論は中世史学界では確固たる地位を占…

森平雅彦『モンゴル帝国の覇権と朝鮮半島』

金曜日に書店で見かけ、来週の授業用に購入して読了。このテーマについてはそれなりに勉強してきたが、蒙古襲来史もしくはモンゴル帝国史で、高麗史については長期にわたる抵抗と出陸、その間にあった三別抄による日本への援軍の呼びかけ、国王がモンゴルか…

鈴木康之『中世瀬戸内の港町・草戸千軒町遺跡』

草戸千軒については現地や広島県立歴史博物館も訪れたことがあり、いくつかの概説書とともに著者の個別論文についても勉強させてもらってきた。そういうわけで2007年に刊行された際にはもうよいかと思い購入しなかったのだが、少し前に古本屋で見かけて衝動…

趙景達・宮嶋博史・李成市・和田春樹編『「韓国併合」100年を問う』

今日はダラダラと授業準備で、表題書は前日には読了していたもの。以前に取り上げた国立歴史民俗博物館編のものとセットで刊行されたものだが、本書のほうは『思想』2010年1月号を再録したもので、新本では見送ったのだが古本屋で見かけて、最後に63点の史…

サラエボ、希望の街角

今朝は珍しく淡路から座ることができて、ひたすら眠りにつく。降りる手前からどういうわけか隣に座っていた女子学生が気になり、何度も見てしまう。教室に入ってようやく受講者として見覚えがあったためであったことに気づいたが、向こうは変なおっさんだと…

立命館大学文学部京都文化講座委員会編『京の地宝と考古学』

和田晴吾「京都・嵯峨野の古墳と他界観」、河角龍典 「三次元デジタル地図で見る古代都市 長岡京・平安京の風景」 、山本雅和「中世都市京都の考古学-権力者の遺跡・庶民の遺跡-」、西林孝浩「広隆寺所蔵《弥勒菩薩半跏像(宝冠弥勒)》と半跏思惟像の源流…

歴史館いずみさの『泉佐野サムライ列伝』

今日も余り体調はよくなかったが、案内をもらっていたこともあり上記展覧会に足を運ぶことにした。まず大学図書館(現在は修了生という関係のみだが)へ本を返しに行くと休館日。うっすら記憶はあったが、授業中に休館する図書館というのは全国でもここぐら…

国立歴史民俗博物館編『「韓国併合」100年を問う』

土曜日にようやく医者で喉の薬を処方してもらい、土日はほとんど寝て過ごしたので少しましになるかと思ったが、本日午後の河原町丸太町での史料めくりは睡魔との戦いとなった。しかも目録がないため二時間以上は近世の寺内文書ばかりをめくる羽目になった。…

新しいカバン

今使っているカバンをいつ購入したのかは全く記憶はないが、恐らく十五年以上になるのではないか。近所への買い物以外では必ず利用しており、二泊三日ぐらいまではこれで事足りてきたため、東京・新潟・熊本などにも連れて行った。本体部分はまだまだ大丈夫…

河内祥輔・新田一郎『天皇と中世の武家』

本日は久しぶりに京都北山で写真帳めくり。Meが活躍してくれて少しは進み、重たい目をして持っていた甲斐はあった(昨日午後から起動しなくなったPCを先ほどスイッチを入れると起動した。金曜日に購入するつもりだったのだがまた迷ってしまう)。ただしせっ…

安物買い

本日は午前の講義を終えた後に、ふと気が変わりPCを一度落として控室に持ち帰ったのが運のつき(いつもはそのまま置いておく)。昼からの講義のためにPCを立ち上げようとするが、全く作動しない。このところ何度か最初のスイッチでは立ち上がらず強制的に落…

大阪維新の会の日の丸・君が代強制

今日は研究会には行かずにゆっくり静養。ここ数年と同じく喉に炎症ができ微熱も下がらない。マイクを利用しているのにこの弱さはどうしようもない。一応薬を買ってきて少しは収まったが、明日の朝に医者に行くべきかもしれない(いつも込んでおり仕事に間に…

瀬川拓郎『アイヌの世界』

昨日は中国都市史の報告、本日は古代の池・五世紀の王権・本願寺の組織構造・近世の村と里山を除地とする根拠になっている宗教者との紛争に関する報告を聞く。何れの内容も興味深いものだったが、討論での近世史研究者の史料の外への配慮のなさには驚かされ…

相変わらずひどい・・・

今朝も予定通りに家を出て駅に着くと、どういうわけか階段を上ってくる乗客が多数。仕方ないのでエスカレーターを使うと、電車が発車する音が聞こえる。ダイヤが乱れているらしい。後続列車が予定より2分遅れで到着したため、6分の接続時間に間に合うはずだ…

細川重男『北条氏と鎌倉幕府』

電車読書としては久しぶりに日本中世史の著作(前にも記したように、専門研究のために自宅で読む著作・論文はここでは取り上げない)。このところ書店に並ぶ一般書に興味がわかず購入していなかったためだが(実は専門書も同様なのだが・・・)、同世代のOD…

長野ひろ子・姫岡とし子『歴史教育とジェンダー』

ジェンダーは正直好きではない。それ以前の運動(たとえば婦人運動)に対する敬意のない否定的姿勢、自らを特権視する「エリート主義」、アカデミズムに席を占めておきながらそれを全否定する論調などにはついていけない。高専公募の最終面接で二敗したとい…

瓦版にみる幕末大阪の事件史・災害史

ふと思い立って終了直前の展覧会に足を運ぶhttp://www.osakacastle.net/exhibition/special.html。講義前のあわただしい時間だったが瓦版の具体像は大変興味深い。なかでも幕末の南海・東海地震に関するものが偶然にも多数出されており(展覧会の企画は一年…

樋口大祐『変貌する清盛』

本日は普段通りの授業。昔なら休講ですんだのだが、ここ数年来の授業時間確保という流れの中ではそういう選択肢はなくなってしまった。本来の大学は自主的に勉強する場だったのだが、その面影は消え学生に勉強しているフリをさせるだけになってしまった。そ…

竹田いさみ『世界史をつくった海賊』

本書は金曜日には読了していたが、史跡見学記録を書き留めておきたかったので後回しにした。「人類の歴史」を担当することになってから世界史関係の本に目がとまるようになって、これも書店で少し迷ったが衝動買いしたもの。内容は16・17世紀のイギリスが組…