wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

萬代悠『三井大坂両替店』

引き続き電車読書の備忘。表題組織が行っていた借り入れを希望する顧客に対して、手代が調査した相手方の家族構成・人柄・業種・家計状態に関する身辺調査の記録(表題は「日用帳」)を分析したもの。何しろ史料が超一級で、家族間の不和・当主の放蕩など、…

奈良国立博物館「空海」

本日、朝1中百舌鳥の帰路に立ち寄る。外は7割以上がインバウンドだったが、中はその逆ぐらい。タイトル通り、空海その人にこだわった企画で、修理されたという高雄曼荼羅(前期は胎蔵界)など9世紀のものが盛りだくさんで、自筆本も多数。同時代のジャワの寺…

眼鏡壊れる

本日、何気ない動作で眼鏡のフレームが折れてしまうという大惨事。雨が降っていたので一番近い眼鏡屋に出かけたのだが、動転していたこともあって、高額のフレームを勧められるままに了承してしまう。たしかに着け心地はよく丈夫そうだったのだが、春の月収…

小宮山章・加藤正吾『森の来歴』

本日から近所のシニア・コースも始まり、春のルーティンが本格化。当初の見積もりより時間を費やしてしまっており、来週の準備も明日までずれ込む状況。そういうわけで、少しだけ残った電車読書を片付けておく。小宮山氏は1980年に岐阜大学農学部助手となり…

「戦雲‐いくさふむ‐」

本日は中百舌鳥1限。帰路の梅田地下街が大改修で方向感覚を失ってしまったが、バスに乗り継ぎ、水曜割引を利用して表題の映画を鑑賞。近年急速に進む先島での自衛隊ミサイル基地建設を題材にしたドキュメンタリー。語りもつとめた「いのちと暮らしを守るオバ…

中野博文『暴力とポピュリズムのアメリカ史』

本日は枚方3コマ。花粉症が収束しない中、何とか無事終える。電車読書は1月衝動買いシリーズの最後でタイトル買いしたもの。2021年米国連邦議会襲撃事件を冒頭に配し、その主体となった合衆国憲法の悪政を行う政権を打倒するための武力を一般市民に保障した…

関西大学博物館「花開く大阪の文化」

本日観覧。古墳・契沖・大坂画壇のコレクションはこれまでも観たことがあったが、秀吉文書3点は初見。大工関係の書状・領知宛行・慶長の役がらみで最後の記述は具体的。秀頼黒印状もあった。 お知らせ|関西大学博物館

飯島渉『感染症の歴史学』

本日は組合執行委員会。課題は山積み、長年屋台骨を支えてきた方も近い将来の引退を表明され、前途多難の予感。そんな中、著者名をみて何も考えずに購入していた表題書を読了。著者について中国近代史における当該分野の専門家と認識していたが、「中国史の…

「ミッドサマー ディレクターズカット版」

近所の映画館で一週間限定上映をしていたので鑑賞。文化人類学のフィールドワーク心得的な論及を見かけたこともあって、出かけたもの・・・。実際は単なるホラー映画として構想されたもので、アメリカ人の大学院生グループが現地を訪れたのも、現地出身者が意図…

元木泰雄さんのこと

突然の訃報に驚き、本日のお通夜に参列させていただく。ここ一年ほどは闘病生活を続けられていたとのこと。当方が大学院に入ったころ、大阪歴史学会の編集委員をされていたということもあって、何度か飲みに連れて行っていただいた。ホテルのバーに入ったの…

岡野八代『ケアの倫理』

本日は中百舌鳥1限、金曜日は来週から(しかも徒歩圏内)なので、今週の外仕事は一段落。ただ久しぶりにしゃべると喉はボロボロに。そんな中で電車読書は一月に衝動買いしていたもの。子育て・介護など近代家族では女性の無償労働とされてきたケアについて、…

榎村寛之『謎の平安前期』

明日から春の講義。引きこもり中に自治体史の分担分のうち、2パート・約3分の2の草稿を仕上げたのだがそこで息切れ・・・、読みさしの電車読書を片付けておく。刊行時の初版の帯文句「豊かになった」で敬遠していたのだが、話題になっていたのと、3月の某ポイン…

2024年度

別に報告することもないのだが、週末に某プロジェクト委員として出かけただけで、引きこもりが続いているため、少しだけ顔出し。春6コマ・秋7コマで、非常勤はスカスカだが、いくつか原稿を抱えているので、暇を持て余しているほどでもないというところ。余…

大月康弘『ヨーロッパ史』

土曜日に少し出かけただけで、引きこもり状態なのだが、花粉症がひどく自治体史原稿が全く進まず。昨日は点鼻薬で少し落ち着いたと思ったのだが、またぶり返し。そういうわけで届いた雑誌とともに読みさしの電車読書を片付け。ビザンツ史を専門とする立場か…

尼崎市立歴史博物館「尼崎市指定文化財の精華(後期)(後半)」

水曜日に自治体史の会議に出かけて帰りに嵐に遭ってからひどい花粉症。それで迷ったのだが日曜日までなので出かけることにしたもの。目当ての杭瀬庄雑掌申状案・天龍寺関係文書などをじっくり熟覧。少し中世史専攻の学芸員の方とお話しする機会があったが、…

鈴木真弥『カーストとは何か』

某原稿に取りかかっているのだが、以前にコピーを取っていたはずのものが全く見つからず。先日めんどくさくて同じく必要な書籍をネット古書店で注文していたのだが、今度は30000円前後。仕方なく交通費を使って非常勤先の図書館へ出かけることに。結局、本日…

【報告Ⅱ】「中世の橘御園・生嶋荘と尼崎」

『園田学園女子大学論文集』第57号(奥付は令和6年3月)14~20頁に掲載。2022年秋に依頼されて、2022年12月10日「シンポジウム 地域歴史遺産としての遺跡‐栗山・庄下川遺跡をめぐって‐」で報告。その後原稿化するということになり、昨年9月に提出。本年正月…

田渕句美子『百人一首』

本日は城郭の史跡指定のための調査委員会の会議で、美作国境の町へお出かけ。帰りは前日から山城の縄張り図を作成されていた方の車に同乗させてもらったが、行きは公共交通2時間半の道のり。ちょうどタイミングよく目的の駅に着く直前で読了した電車読書の備…

外池昇『神武天皇の歴史学』

引き続き、電車読書の備忘。教養講義「古墳と天皇陵」で取りあげていることもあって、購入していたもの。文章は全体としてやや回りくどい印象があるが、文久の修陵直前に、孝明天皇の意向もあって比定地が変更されたこと、それと別に本居宣長・北浦定政らの…

下市

本日はふと見かけた吉野に関する講演会に出かける。報告にも興味があったのだが(実際、播磨の寺院名が登場して驚き・・・)、会場の最寄り駅から以前から気になっていた下市に行けるというのも大きな動機。山科本願寺から吉野材木が突然出てきて、それとセット…

金太郷

本日は塼列建物の研究会。久しぶりにお目にかかる方も多数おられていろいろ勉強させていただく。会場最寄り駅は旧宅と実家の乗り継ぎ駅で数え切れないほど通り過ぎていたのだが、本日昼休みにはじめて巡検。中世鋳物師の在所として知られる金太郷(現地名は…

京都府立京都学・歴彩館「東寺百合文書で古文書解読!鎌倉・室町・戦国時代~中世文書、はじめの一歩 後期」

本日、論文コピー、近衛家文書デジタル閲覧のついでに観覧(というか会期にあわせたもの)。いきなり「Q12『まだ~していない』は古文書ではどう書きますか?」から始まり驚いたが、会場で入手した前期の解説「Q1文字も文もわかりません。それでもわかること…

佐藤信弥『古代中国王朝史の誕生』

引き続き電車読書の備忘。タイトルと1月の新本屋によるタイミングとポイント消費の関係で衝動買いしていたもの。過去をどのように認識し、どのように記述するのかという問題について、甲骨文字・金文中心の春秋時代までを歴史認識、「春秋」が成立する戦国時…

兵庫県立兵庫津ミュージアム「知られざる山城の魅力‐中世播磨250の山城‐」

南京町を少し歩いて(昼時で、関西イントネーション以外も含めた日本語をしゃべる高・大学生が圧倒的)、地下鉄で表題の展覧会へ。副題は木内内則氏の同名書がもとになったものだが(縄張り図とともに復元イラストを描かれる方)、取りあげられているのは当…

神戸市立博物館「コレクション大航海 蝦夷発→異国経由→兵庫行」

中世文書が展示されていることを発見し、本日観覧。3PERTからなり、最初が地図資料、主眼は蝦夷地がどのように描かれているかということだが、1570年オルテリウス「タルタリア図」から始まり、17世紀前半までの日本を描いた地図が揃う。単眼鏡で文字を読んで…

二栢野

もともと当方のリサーチ不足で先行研究を見落とすことも多いが、逆に無視されることも少なくない(早い時期のものについては、拙著に収録する際に記してある)。近年の赤松関係も取りあげられないほうが多いし、先日全国誌に掲載された史料紹介でも拙著の紛…

「中世淀をめぐる交通と流通」

『ヒストリア』第302号(2023年2月)、45~63頁。昨年4月23日に行われた2022年度見学検討会「古代・中世の淀と都市形成」での同名報告をもとに執筆したもので、報告者の松永修平・柏田有香「淀周辺の発掘調査成果‐淀水垂大下津町遺跡を中心に‐」・古閑正浩「…

「ヤジと民主主義 劇場拡大版」

本日は某大学との団交。当方は出講していないところだが、退職後の図書館利用も今後の大きな課題(研究を続けるだけの余力があることが前提だが・・・)。1日ということもあって、行きがけに表題の映画を鑑賞。2019年7月15日に札幌で行われた安倍晋三首相(当時…

再掲「瀬戸内海の海人と水軍」

まだ人数に余裕があり、電話での申込みが可能とのことです。

原田信男『豆腐の文化史』

引き続き、旅のお供にした電車読書の備忘。昨年末に何となく衝動買いしていたもの。伝承では漢代に淮南王が考案。著者は考古資料と西域牧畜社会の発酵文化に源流をもつ製法からその可能性はあるが、ローカルなもので唐代後半以降に広まったと理解。日本の初…