wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

2023-01-01から1年間の記事一覧

曽根ひろみ『娼婦と近世社会』

予告通り本年最後の電車読書の備忘。春のカタログ販売で購入して積ん読になっていて、ちょうど途切れたタイミングでようやく読了(先日、秋カタログと新本屋で12冊積んだところ)。初版は2002年で90年代論壇の「自由意志による売春」という議論に対して、や…

冬休み

年内にあと一回、所用で出かけなければならないのだが、本日から1月8日まで冬休みという小・中学生なみの状況。しかも昨年まで7年続いた正月明け締切原稿がお役御免になったため、直近に片付けなければならないのは校正1本と来年度のシラバスのみ。あとは雑…

大阪城天守閣「信長戦記」

本日所用ついでに観覧。入口に行列ができるほどのインバウンド客だが、文書展示はさすがに人気がなくじっくり字を辿ることができた。信長の花押・印判に着目した展示で、内容も興味深い。文言をみていると最初のころは結構へりくだっていて、次第に戦果自慢…

田辺旬『戦死者たちの源平合戦』

本日は枚方3コマ。久しぶりに電車も含め、大きなトラブルもなく何とか終える。まだバタバタしているが電車読書の備忘を簡単に。珍しく拙稿が引用していただいているが、御礼の返事もできていなかったもの。戦死の意識(最高の恩賞という見解を否定して、戦傷…

新宮学『北京の歴史』

本日は自治体史の巡検、極寒の中でだったが新資料も実見でき、なかなか有益。ただし今年度中にめどを付けなければならない。そんな中で先週末の遠出のお供の読みさしを片付ける。10月末で切れるポイント消費の必要もあって衝動買いしていたもの。遊牧・農耕…

「非常勤の声」75号

koe75.pdf (hijokin.org) 全文はこちらからご参照ください。 表だけ抜き書きしておきます。 今のところ来年度前期は6コマ、後期は7コマ。しかもこれより低賃金のところばかり。 いくつか団交を予定していますが、余ったコマがあればよろしくお願い申し上げま…

樋口健太郎・栗山圭子編『平安時代天皇列伝』

本日は枚方3コマ。資料を印刷し、PCを借りて学内アドレスでメールを開くと、本日授業があるのかという問い合わせが2件。慌てて事務室で聞くと、最初はあります、月曜日でした今日はありません、との返事。二月に受け取った行事予定を手帳に書き込んでいたい…

徳山

8日夜はどの店も満員で、4軒目に入れてもらう。ただまわりはほぼ常連客でアウエー感は満載。メニューに値段もなく7000円の飲み食い。9日は6:40起床、無料朝食をたらふく食べて、7:40出航のため港に向かう。ところがコロナで船員が足らないらしく運休とのこ…

柳井

当初の予定より1時間早いバスに乗れたので、柳井も踏査。伝建が残り、中世の地割りを残しているとの解説があったのだが、資料館施設にも近世絵図すら示されておらず、あまりよくわからなかったのが残念。防府・山口は中世都市が残るとされるが、こちらは不勉…

上関と室津

祝島から船で戻って、上関と室津を踏査。こちらがもともとの念願で、船上と高所から状況を確認。廃仏毀釈の影響もあってか(朝鮮通信使に関わる曹洞宗寺院も廃寺になったとのこと)、中世の石造物は見られず。伊予の島々とは大きく異なり、もともとそうだっ…

周防祝島

土日は科研費の史料調査にまぜていただくことになり、その途中ということで6:13新神戸発で周防島巡りに出かける(主催者には報告済)。9:30柳井港からのフェリーに乗ってまずは祝島へ。乗船が他に一人だけだったが、室津からは仕事らしき人たちが乗船(支所…

印税

先日ネットの銀行口座の収支をみると、出版社から4桁の入金。全く覚えがなく不審に思っていたところ、本日明細書類が到着。何と単著オンデマンド版が13冊売れたようで、その印税とのこと。遙か昔に断裁されており、とりあえずありがたくいただいておく。単著…

高島正憲『賃金の日本史』

本日は枚方3コマ。印刷した資料の一部に今回と異なる部分があるという痛恨のミス。あわててOneDriveからファイルを引き出し、何とか開始時間までに取り繕うことができたのが幸い。そういうことを露とも知らず行きがけで読了したのが表題書。専門書は断念した…

鹿毛敏夫『世界史の中の戦国大名』

引き続きというか、本来は昨日読了していた電車読書の備忘。これまた明日の講義用に購入していたもの。16世紀半ば以降の戦国大名による地域国家の外交を、伝統的な「中華」世界の殻を破った稀有な事例と評価し、それが欧米諸国の交渉に応用され、伝統的国際…

堺市博物館「特別展都市の祈り‐住吉祭と堺」

本日午後の組合学習会の前に観覧。初公開のサンフランシスコ・アジア美術館所蔵「住吉祭礼図屏風」をはじめ、17世紀の住吉祭が描かれた屏風、対は四天王寺・賀茂競馬・播磨国総社(最後は後期のみということで図録だけ)で基準は不明。同一工房という司馬遼…

和気

本日は学部の同窓会。一番逢いたかった旧友とも久しぶりに話ができてよかったが、指導教官と会話する機会がなかったのが残念。14:30からだったので、財政事情と拙稿「赤松氏の拠点形成」で取りあげたままになっていたことから、在来線を利用して「将軍家御…

三木市立みき歴史資料館「企画展 地域の史料たち7~三木の歴史~」

本日は自治体史の会議と現地調査があり(本日から土日祝は12月17日まで予定が連続)、そのついでに表題の展覧会も観覧。ちょうど市史地域編が刊行されたため(こちらは地元の方がまとめたもの)、それにあわせたもの。六勝寺の瓦も焼いた久留美遺跡出土の瓦…

グウィン・ダイヤー『戦争と人類』

本日は枚方3コマ。京阪特急が意外と空いていて助かっているが、やはり帰りはヘロヘロ。それでも衝動買いしていた表題書を読了。原始から現代までの戦争の特質を社会的要因・形態などの抽出しながら概観し未来を展望したもの。暴力的だが構成員内部の成人男性…

山口昌男『アフリカ史』

引き続き電車読書の備忘。1977年刊行書の文庫化だが何となく衝動買いしてしまい、講義のアフリカ分割前にはと思い読了したもの。もっとも著者の専門は文化人類学で近現代史の一部は別の著者の手を借りており、研究水準も当時の状況に規定。むしろそれ以前の…

和歌山市立博物館「葛城修験の世界」

ついで徒歩で表題の展覧会へ。県博と異なり展示リストがなく、HPにあがっているのも現在の友ヶ島での行者の写真と現役の神変大菩薩像(役行者像、近世作)だが、中世文書もそこそこ。海村史料として知られる向井家文書だが、「迎之坊」と称され、近世に聖護…

和歌山県立博物館「紀州・明恵上人伝」

午前中に所用があったのと、貧乏人に優しい無料観覧日という事情で、関空・紀州路快速で出かける。隣に大きなスーツケースをもった若い男性が二人。スマホをチラ見したら英語だったので、この車両は関空行きではないというのをどうやって説明しようか悩んで…

「燃えあがる女性記者たち」

以前から気になっていた作品が、近所の映画館でちょうどよい時間に上映されることになり、本日サービス・ディを利用して観覧。インド北部(ニュー・デリーの西側らしい)の州で創刊された不可触民出身の女性たちが立ち上げたという報道機関(週刊新聞と動画…

内藤正典『トルコ 建国100年の自画像』

引き続き電車読書の備忘。同時購入した3冊本のうち、講義順で最後になったもの。とかく西側諸国から非難されているトルコ・エルドアン政権について、建国以来の矛盾と西側のイスラムフォビアから読み解いたもの。フランス・ライシテをモデルにしたような世俗…

亀岡市文化資料館「足利尊氏」

本日午前に観覧。出品目録をちゃんと確認していなかったが、鑁阿寺蔵の尊氏・義詮座像、栃木県立歴史博物館蔵の文書・尊氏筆地蔵菩薩像などもあり、古文書についても東京大学日本史研究室蔵・慶應義塾図書館蔵などが多数。丹波でも常照皇寺蔵肖像画(光厳上…

尼崎市立博物館「尼崎市指定文化財の精華(前期)」

本日ようやく観覧。平安の一木2躯、中世後期作という日蓮絵巻の写本、本興寺文書・長遠寺文書から戦国の禁制などが展示。また中世後期の年紀を有する長遠寺所蔵の鰐口3点は、河内野田・播州三方東・紀州松江とあり、いずれも別の場所から移転してきたことが…

南塚信吾・油井大三郎・木畑洋一・山田朗『軍事力で平和は守れるのか‐歴史から考える』

本日は枚方3コマ。朝、京橋乗替の際に京阪ストップとのアナウンスでJRに変更して何とかたどり着く。事故が京阪乗車後ならどうしようもなかったところ(以前、バス・電車・タクシー乗り継ぎで試験監督に30分遅刻というのがあった)。電車読書はこの講義のこと…

浜忠雄『ハイチ革命の世界史』

本日は橋を渡って公務出張。途中某展示も観覧したがそれは省略し、電車読書の備忘のみ。以前に著者のものは読ませていただいて、来週分の講義「環大西洋革命」にも取り入れている。本書はそれを前史から現代に至る長いスパンで取りあげたもの。すでに先週の…

姫岡とし子・久留島典子・小野仁美編『「社会」はどう作られるのか?』

本日は枚方3コマ。昨日からルンバが動かず朝から解体修理(ホコリの除去)をする羽目になったが、いつも通りの電車に間に合う。電車読書は秋の学会で見かけて衝動買いしたもので、読みさしを旅のお供にせず本日読了。<ひと>から問うジェンダーの世界史の2…

ニコラ・ル・ルー(久保田剛史訳)『フランスの宗教戦争』

明後日の授業で取り上げることもあって、以前に衝動買いしていたものを電車読書のお供にする。カトリック勢がスペイン・ローマ教皇、ユグノーがイングランド・オランドの支援を受け国際性をおびたものとなり、王権内部・貴族の派閥抗争もあって大規模なもの…

射水市新湊博物館「海が支えた放生津幕府‐明応の政変と足利義材‐」

富山駅10:45発のバスで820円のところまで行き(こちらは飛越バスのようなことはない)、少し歩いて船着き場から無料渡船で対岸に渡り、放生津の町並みと寺社をさまよう。こちらは過去に訪れたことがあるが、かなり記憶が薄れていた。放生津八幡の裏手も海だ…