wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

読書

柳田國男編『日本人』

本日は組合の決起学習会でお出かけ、弁護士は勝利を確信していると報告されたが、1月にどういう結果が出ることやら・・・。ともかく電車読書の読みさしを片づけ。原著は1954年刊行だが、夏前に文庫で再刊され積ん読になっていたもの。文庫版の帯には「大勢順応…

田野大輔『愛と欲望のナチズム』

本日は枚方3コマ。朝は兆候がなかったのだが、電車の中で鼻水が止まらなくなり(駅までの自転車でもマスクはしていた)、その後も収まらず、久しぶりにマスクで授業、終わればトイレに駆け込み鼻水を出すの繰り返しで乗り切る。ただ講義に向けての電車読書は…

趙景達『朝鮮民衆の社会史』

引き続き電車読書の備忘。朝鮮王朝の成立期から3.1独立運動までを対象とした民衆の存在形態・意識などを主に取りあげたもの。儒教的民本主義の実際、両班の存在形態、小農社会とはいえ近世日本とは比べものにならないほどの流動性、生活世界における巫俗信仰…

原田昌博『ナチズム前夜』

昨日昼の組合委員会と夜の別件での飲み会の間に時間が余ってしまい、そこで読了していたもので、火曜日の講義用。第一次大戦末期のドイツ革命から、34年6月末のナチス突撃隊(SA)粛正までを、政治的暴力という視点から見通したもの。1924年までの共和国前期…

上村剛『アメリカ革命』

秋は出講日は4日あるのだが1日リモート・1日徒歩圏で通勤は月・火のみ。本日の研究会もリモートで、明日・明後日は学祭がらみのお休みで、差し戻され原稿の増補にあてる予定。そういうわけで電車読書の読みさしをここで片付けておく。火曜日の講義がらみで衝…

福田眞人『水と清潔』

週末は学会の裏方+司会。夜も飲み会が続くため、電車読書の読みさしを片づけておく。お名前は存じ上げなかったが、かなりの研究業績をお持ちのようで、タイトルに惹かれ衝動買いしてしまったもの。なかに役立つ図版がないわけではないのだが、コロコロ話し…

黒田祐我『レコンキスタ』

本日は枚方3コマ、イスラームの誕生から十字軍まで。そのため土曜日に表題書を購入し、15世紀前半までを本日往路で、残りを帰路で読了。ローマ時代からのイベリア半島の全体史を示したもので、後ウマイヤ朝における西ゴート由来の構造をもとにした間接統治に…

岩井淳『ヨーロッパ近世史』

引き続き電車読書の備忘。歴史教育にも関心の深い方らしく、当該期を近代の前史とする教科書叙述に対して、近世独自の性格として複合国家と主権国家の二つの顔をあわせもつこと、多様な宗教の役割、経済活動、大航海時代以来の帝国建設、戦争と講和条約を取…

後藤里菜『沈黙の中世史』

昨日から秋の講義。予想以上の受講者で資料の増し刷りに走ったり、時間配分の失敗など最初からバタバタ。月・火5コマで喉にもダメージ。そういうなかで電車読書は話題の感情史ということで、衝動買いしていたもの。修道院を舞台に沈黙と感情の発露としての叫…

松沢裕作『歴史学はこう考える』

ということで、来週からはじまる導入型講義(今期は2大学で担当)の参考文献として必要かどうかの見極めのため、積ん読を入れ替えて読了したもの。まず文献史学のそのもの論として、記録の生成から歴史資料としての利用を説き、史料操作によってどのように研…

長田俊樹『アーリヤ人の誕生』

日曜日までバタバタしており、昨日はその後始末などで費やす。後は23日の講義開始まで、いくつかの予定があるだけでほぼ引きこもり。自治体史の補訂も本日送付したので、明日からは夏の調査を踏まえて9月28日に研究報告・10月末締切原稿に取りかからなけれ…

飯田真紀『広東語の世界』

本日はお座敷のため、久しぶりにお出かけ。90分で時代を行きつ戻りつになり、最初に全体構成を示しておいた方がよかったと反省。やや早めに着いてある程度読み進めたこと、週の後半に遠出の予定があることから、残りも処理して備忘を残しておく。もともと華…

和田晴吾『古墳と埴輪』

今週は火・金と淡路調査。公費で動くのは恐らく最後の機会となったが、これで確実な荘園鎮守はコンプリートできた。ただ来週はまたまた引きこもりになるので、読みさしの表題書を片付けておく。教養講義で1回を「古墳と天皇陵」としており、前職で薄い面識も…

佐藤卓己『言論統制増補版』

本日は自治体史の会議。地獄の日差しだったが、帰宅前に夕立、とはいえ昨日のほうが風は涼しい。そういうわけで、ようやく表題書を読了。初版は2004年刊で、第1次極貧期のため存在すら記憶にないが、第3次極貧期に突入したにもかかわらず衝動買いしてしまっ…

酒井元樹『名物刀剣』

本日は千里山最終回。ますます引きこもり・出不精になるので、読みさしの表題書を片付けておく。前職で手をつけ、行きがかりから今年度も短文が執筆したこともあり、特別販売で購入していたもの。刀剣武器であることを前提として、美と権威がメビウスの輪に…

千葉聡『ダーウィンの呪い』

本日は中百舌鳥最終日。電車読書はネオリベへのやるせない想いから、ふと思い立って先日衝動買いしたもの。進歩せよを意味する「進化の呪い」、生存闘争と適者生存からくる「闘争の呪い」、自然の事実から導かれた人間社会も支配する規範だからとする「ダー…

揖斐高『頼山陽』

本日は組合の雑用。途中に空き時間がありそこそこ読み進み、残りをさきほど読了。積ん読が枯渇しかかっていた時に衝動買いしていたもの。この分野については全く不勉強だったが、広島藩儒者の嗣子としてうまれながら脱藩・出奔して、京都を拠点に私塾を開き…

池田嘉郎『ロシアとは何ものか』

本日近所のシニア向け講義に出かける前に時間があったので、読みさしを読了。財政難からインドとの二択で、歴史側ということで衝動買いしていたもの。ロシアが土地の私的所有権が未成立(全土所有者たる専制権力に属する)、皇帝と教会は不可分の関係にあり…

山本文彦『神聖ローマ帝国』

引き続き電車読書の備忘。秋の講義のため頭の整理のために衝動買いしていたもの。カール大帝のカロリング朝から、ナポレオンを保護者として成立したライン連盟の連邦離脱、ハプスブルク家フランツ二世の退位(放棄)宣言までの全史を一書で読めるのは有益で…

川尻秋生責任編集『天変地異と病』

引き続き電車読書の備忘。当初はスルーしたのだが、非常勤先の図書館で立ち読みして改めて購入すべきと考えたもの。講義でも貞観地震は取りあげているが、復興状況も含めた最新成果のとりまとめは大変有益。神国思想で理解していたが、移住させた新羅人が瓦…

麻田雅文『日ソ戦争』

本日は枚方3コマ。予想ほどではなかったが、大雨で自転車を断念したため遠回りをすることに。そんな中で読みさしの表題書を読了。第二次大戦末期のソ連の対日参戦について、主にソ連側の史料を用いながら満洲・北朝鮮・南樺太・千島における戦争の全体像を描…

夫馬進『訟師の中国史』

本日の千里山往復で、ほぼ読みさしを読了。宣伝文句につられて、衝動買いしていたもの。中国儒教理念のもとでは、皇帝、その代理の地方官は「民の父母」であるから、些細な争いでも聞き入れるべきという「民父母裁判理念」が存在した。しかし経済社会が発展…

禹宗杬・沼尻晃伸『<一人前>と戦後社会』

本日は枚方3コマ。阪急運休・道路渋滞ということで、大雨にもかかわらず駅まで自転車を利用する羽目になり、いろいろワヤワヤだったが何とか帰宅。タイトルに惹かれて衝動買いしていた電車読書の備忘を残しておく。日本においてひとびとが「自己主張」する際…

出口顕『声と文字の人類学』

本日は某出張。同一ホテルに宿泊と思っていたら、一人だけ取り残され、連絡もなしのつぶて。相変わらずの情けない人生・・・。そういうわけで、行きがけの読書の備忘を片付けておく。先日書店でタイトルに惹かれ、衝動買いしてしまっていたもの。文字(書証性・…

池上俊一『魔女狩りのヨーロッパ史』

本日中百舌鳥1限の往復で読みさしを読了。ヨーロッパ全域における魔女狩りの全体像を総括したもので、キリスト教神学・悪魔学による「魔女妄想」の成立、「神への大逆罪」として拷問が許された裁判制度、16世紀の商業革命による共同体秩序のゆらぎで呪術に通…

越智敏之『増補魚で始まる世界史』

本日は千里山、ということで久しぶりに電車読書の備忘。財政難もあって積ん読が減っていた際に衝動買いしてしまったもの(先週買い込んでしまったので今は6冊)。ユダヤ教・初期キリスト教においてシンボルに位置づけられた魚、断食日に許された魚食、オラン…

田原史起『中国農村の現在』

GWは絶不調のまま本日から通常業務、久しぶりの3コマで喉はヘロヘロ。久しぶりの電車読書はタイトルに惹かれ以前に購入していたもの。すでに各所で話題になっているようだが、社会学者によるフィールド調査の非常に面白い作品。「木の根っこ」に例えられるよ…

姫岡とし子『ジェンダー史10講』

本日は枚方3コマ。京阪が意外なほど空いていて驚き、雨模様だったが、観光客は見かけず他大学も休講だったのだろうか・・・。ともあれ電車読書の備忘、著者名を信頼して購入していたもの。全体としては研究状況の整理が分かり、近代批判として歴史学のパラダイ…

萬代悠『三井大坂両替店』

引き続き電車読書の備忘。表題組織が行っていた借り入れを希望する顧客に対して、手代が調査した相手方の家族構成・人柄・業種・家計状態に関する身辺調査の記録(表題は「日用帳」)を分析したもの。何しろ史料が超一級で、家族間の不和・当主の放蕩など、…

小宮山章・加藤正吾『森の来歴』

本日から近所のシニア・コースも始まり、春のルーティンが本格化。当初の見積もりより時間を費やしてしまっており、来週の準備も明日までずれ込む状況。そういうわけで、少しだけ残った電車読書を片付けておく。小宮山氏は1980年に岐阜大学農学部助手となり…