wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

2013-01-01から1年間の記事一覧

かぐや姫の物語

昨日は院生時代の友人たちとの忘年会で、いろいろ話したくさん飲む。それまで時間があったため、本屋巡りと表題の映画にあてる(以下ネタばれ)。画像は大変美しく、湿地の風景まで再現されていたのはさすが。時代考証は原作の古代から平安初期というより、…

大阪上町台地から都市を考える

昨日・本日と表題の科研シンポジウムに参加http://osaka-uemachi.sakura.ne.jp/2013/Sympo131222.html。当方はメンバーではないのだがゲスト・スピーカーとして呼ばれ分科会1で、古代寺院のいくつかが廃絶することなく中世に連続することの重要性について報告…

藻谷浩介・NHK広島取材班『里山資本主義』

本日は京都で授業の後、夕方から組合の団交。この間のW大をはじめとするブラック政策・中小の相次ぐ雇い止めの嵐と異なり、労働契約法に関して前向きの回答が示される。大阪・東京の直近の情勢と合わせて状況が反転する契機となればよいのだが。12月の組合委…

「岡山における歴史の教育・研究と吉田晶さん」について語る会

本年1月15日に吉田晶氏が逝去された。個人的想いについてはすでに記したが、昨日88回目の誕生日に合わせて岡山大学で表題の会が開催され参加した。吉田さん(会の名称による、岡山では先生と呼ぶ習慣がなかった)が岡山におられたのは、1978年6月から1991年3…

公募書類

特定秘密保護法・研究開発力強化法など悪法は相次いで通過してしまい、電車読書も「お東大先生」の支離滅裂対談集に続き、細切れ過ぎる講座と借り物ばかりでブログネタは当分なし。場つなぎというわけではないのだが、気になっているのが夏に出した公募書類…

津田敏秀『医学的根拠とは何か』

本日は一日講義のスライド作り。スキャンしたファイルをトリミングして番号を振るという単純作業なのだが、意外と時間がかかり今週金曜と来週月曜分のみ終える。まだ火曜日分が残っているが終わりそうにないため、昨日読了した電車読書の備忘を残しておく。1…

「戦国期に奈良から尼崎を旅した僧侶たちの記録」

『地域史研究ー尼崎市立地域研究史料館紀要』第113号(2013年11月27日発行)P29~36に掲載され、土曜日に手元に届く。2006年に公開された京都大学所蔵「宝珠院文書」のうち、中世後期長洲荘に関して地域研究史料館で翻刻作業がすすめられ、それを検討する研…

政野淳子『四大公害病』

昨日は久しぶりに研究会・飲み会に参加したため、一日遅れで電車読書の備忘を記しておくhttp://www.chuko.co.jp/shinsho/2013/10/102237.html。一般に四大公害裁判とされる、水俣病・新潟水俣病・イタイイタイ病・四日市公害の発症から、本年までの経過がコ…

研究協力開発強化法改正案

昨日国会に上程されたということ。こちらは特定秘密保護法案と異なり、大学・研究機関がこぞって熱烈支持しているため(当方がよく利用している研究機関のトップページにも掲げられている)、反対の声を広げることすら難しいが、とりあえず組合の反対声明の…

特定秘密保護法案に対する歴史学関係者の緊急声明

遅ればせながら転載しますともに、リンクを張っておきますhttp://chn.ge/1hEH5WP。 去る10月25日、政府は、特定秘密保護法案(以下、「法案」という。)を閣議決定した。このたび閣議決定された法案には下記のように多くの問題点が含 まれており、十分な審議…

油井大三郎・藤田進『21世紀の課題』

研究意欲が減退する中、本年秋の学会で唯一購入したもので本日読了(本年度限りかと思っていた、唯一担当している専門科目に関する来年度の書類が本日届き少し安堵しているが)。油井「グローバリゼーションと周辺化」・「米国の中東政策とオリエンタリズム…

張競『中華料理の文化史』

今週はめっきり寒くなったが、京都方面への電車は観光客でいつもより1.5倍ぐらい混んでいた。ただし本日は前の乗客が途中駅で下車したため、奇跡的に座って寝ることができた。もっとも非常勤先に着くとリソグラフを使わずコピー機を独占する輩のため5分以上…

高野秀行『謎の独立国家ソマリランド』

いくつかのところで話題になっているのを知り気になっていたのを思い出して、月曜日の非常勤先で借りてきたもので、昨日仕事終わりの実家への様子見で読了(最大の用事をすっかり忘れてしまったが)。1960年6月26日にイギリスから独立したソマリランド共和国…

宮内泰介・藤村泰『かつお節と日本人』

本日午後も組合の委員会で外出したため電車読書が進み読了したものhttps://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn1310/sin_k733.html。故鶴見良行の薫陶を受けたグループの研究会から始まった企画ということで、バナナ・エビ・エビⅡ・ヤシ(これのみ未読…

和泉府中

本日は今春発刊の自治体史がらみの講演会に呼ばれ、「中世の小栗街道・熊野詣と和泉」というタイトルで話をする。二人報告で持ち時間が一時間しかなく、最後は端折ってしまったが、熱心な聴講者の前で何とか終えることができた。拙い話を聞いて頂いた方に御礼…

井上勝生『明治日本の植民地支配』

本日は月曜日の代替で大教室で講義。春と比べて教室の設備も悪く、受講者も・・・。そういうわけで電車読書は進み、維新期の講義で利用させてもらっている著者の新著を読了するhttps://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/4/0291110.html。1995年7月に著者が勤務し…

黒嶋敏『海の武士団』

本日は組合の学習会。東京から招いた講師の報告を聞き、ブラックW大学の迷走ぶりにあきれるるとともに、現政権のもと事態はより悪質な方向に進む可能性があり、大きな運動をつくることが強調されていた。ただただ目先の人件費削減のために学術体制そのものが…

京都府立総合資料館「平成二五年度 東寺百合文書展」

今年度は史跡も博物館展示もほとんど行けておらず、かといって論文も書いていないという全くの引きこもり状態。そういうなか本日は京都で午前の講義を終えてから、久しぶりに上記展覧会を見学するhttp://www.pref.kyoto.jp/shiryokan/tenrankai.html。ユネス…

山田篤美『真珠の世界史』

昨日は講義終了後に一度帰宅して家の雑用を済ませてから、12月に開催される某シンポジウム分科会の準備会に。ほとんど史料がないテーマだが、一点だけを手がかりに強引にふくらませて何とか形にして、とりあえず関係者の了解をもらう。そこから飲み会があり…

北見俊夫『川の文化』

日曜日は某全国学会。準備に少し関わったこともあり発言はせず、司会のさばきの見事さに感服していた。会場では久しぶりにお目にかかった何人もの方から、暖かい声を掛けていただく。本当に有り難い限り。これで少しやる気にならなければならないのだが、せ…

河内将芳『日蓮宗と戦国京都』

夏休み前刊行にもかかわらず、本日ようやく読了。日蓮宗寺院が京都に進出した鎌倉末期から戦国末・本能寺の変までの、延暦寺・公武諸権力との関係を軸にした通史。延暦寺による弾圧をたびたび受ける一方で、柳酒屋などといった富裕な檀徒を獲得しつつあった…

中見真里『柳宗悦ー「複合の美」の思想』

本日読了した電車読書の備忘。1990年代のポストモダン系学問によって袋だたきにされたという柳宗悦に関して、2003年刊行の学術書で再評価したという著者が、その後の知見を含めて一般向けにまとめたものということ。海軍水路局長から貴族院議員に転じた父楢…

倉田喜弘『文楽の歴史』

休日で延び延びになっていた月曜日の講義もようやく始まり、後期は月・火が超大人数、木・金は逆に超少人数となることに。明日の専門講義は史料を読ませながら進めているので少人数でちょうどよいが、教養課程は多すぎると疲れるし、少なすぎるのもやりにくい…

奈良文化財研究所編『仁和寺史料』古文書編1

先週非常勤先の図書館で借りてきたもの。解題によると、仁和寺経蔵第一五〇函には多数の寺領文書が収納されており、かつての調査で379点がラビリングされ、そのうち平安時代から室町時代之二(文明期まで)に分類された216番までが翻刻されたもの(ただし同…

増田昭子『種子は万人のもの 在来作物を受け継ぐ人々』

以前から気になりながら購入を逡巡していたのだが、先々週末の研究会後の会話で思い出し衝動買いしたもの。民俗学的手法で雑穀研究を行っている著者が、沖縄・関東・福島などのフィールド調査の記録と文献史料に基づいて種子に関わるあれこれをまとめたもの…

大津雄一『「平家物語」の再誕』

9月に入ってからちょこちょこ外へ出る機会があり、昨日読了した『平家物語』の近現代受容史。近世には荒唐無稽な芸能の元ネタから史書の素材としてまで自由闊達に利用されていた『平家物語』が、近代実証史学によって愛想を尽かされ、国家主義教育とともに誕…

『翻刻明月記一』ほか

先週末締切の公募書類をようやく出したら、またもや寝込んでしまうというぐだぐだな状況。せっかく涼しくなったのだが、電車に乗らない・人に会わないという生活がひたすら続くと、リズムの狂いは修正できない。まあ今週後半から少し予定が入り、来週末には…

夏の終わりに

ここ数日はようやく涼しくなり、本日は学位取得証明書のために出身大学に行く。図書館はちょくちょく利用しているが、文学部は久しぶりで事務室が廃止され支援室に格下げされていることを初めて知る。全学の事務部門が統合されたようで、証明書も有料(300円…

水島朝穂『戦争とたたかう』

夏休みに入ったとたんに、早くも酷暑で体温調節機能が崩壊。夏風邪・仮死モードに突入し、ひたすら寝込んでしまっている。その上に、世間がお盆休みに入ったことに気づかず、やっかいなメールを送りつけてしまい反省することしきり。本日も先ほどまでの昼寝…

採点終了

この一週間は夜熟睡できず、昼寝ばかりしている完全夏バテ状態になっているが、ようやく採点だけは終了して夏休みを迎えることができた。珍しくかすかな可能性がある公募書類を書く以外に、幸か不幸か締切仕事もなく、八月の予定もまっさらのまま。このまま…