wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

研究

『九条家本紙背文書集 中右記』

本年出版された新史料集で、非常勤先の図書館に架蔵されているのを見つけ、さっそく借りてきたもの。三年前に盗難にあった牛を四条大宮で見つけたが持ち主が返さないという興味深い文書もあったが、かつて拙稿でも使ったことのある摂津国勘会公文類について…

【近世史フォーラム12月例会のご案内】

◇日時:2014年12月13日(土)13:00~17:00 ◇会場:大阪市立西区民センター 第3会議室 http://osaka-nishikumincenter.jp/%e3%82%a2%e3%82%af%e3%82%bb%e3%82%b9 ◇報告 ①書評 桃木至朗著『中世大越国家の成立と変容』(大阪大学出版会、2011年) 評者:大村拓…

冷泉時雨亭叢書『翻刻明月記二』

図書館から借りて二週間かけてようやくデータ化を終える。院生時代に国書刊行会本により入力したものも多数あり、いくつかの論文でも利用したが、字句の訂正はかなりすることになった。幸いにも要旨にまで影響を与えるものはなかったが・・。特に補書と本文…

「岡田家文書の構成と特質」

今朝行われた第2回中世地下文書研究会で報告。このところ写真帳を閲覧してきた文書に関する拙い中間報告だが、オープン告知の研究会として行われたため、ここにも備忘を残しておく。久しぶりの専門研究者相手の報告でペースがつかめず、しかも朝一で頭も半分…

「寺社から見た平安時代の大阪」

平成21~25年度(独)日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究(A)『大阪上町台地の総合的研究ー東アジア史における年の誕生・成長・再生の一類型ー』(公益財団法人大阪市博物館協会 大阪文化財研究所 大阪歴史博物館、2014年3月)pp247-252。本日受領。当…

「河音史学の方法についてー畿内社会への視点から出発してー」

『歴史科学』(大阪歴史科学協議会)216号(2014年6月)19~26頁、本日手元に到着。もともと依頼により大阪歴史科学協議会2011年12月例会で報告し、2012年8月に原稿提出。本文にも記したように当方は河音の教えを受けており報告者としては適任とは思えず乗り…

「戦国期に奈良から尼崎を旅した僧侶たちの記録」翻刻訂正

本日は昨年刊行された表題の拙稿にからめた講演会。相変わらずのマニアックで拙い話しを熱心にお聞きいただいてありがとうございました。今回改めてレジュメを作る過程で、拙稿の誤り、その時に気づかなかった発見など、いろいろ訂正すべきことが生じてしま…

大阪上町台地から都市を考える

昨日・本日と表題の科研シンポジウムに参加http://osaka-uemachi.sakura.ne.jp/2013/Sympo131222.html。当方はメンバーではないのだがゲスト・スピーカーとして呼ばれ分科会1で、古代寺院のいくつかが廃絶することなく中世に連続することの重要性について報告…

「戦国期に奈良から尼崎を旅した僧侶たちの記録」

『地域史研究ー尼崎市立地域研究史料館紀要』第113号(2013年11月27日発行)P29~36に掲載され、土曜日に手元に届く。2006年に公開された京都大学所蔵「宝珠院文書」のうち、中世後期長洲荘に関して地域研究史料館で翻刻作業がすすめられ、それを検討する研…

奈良文化財研究所編『仁和寺史料』古文書編1

先週非常勤先の図書館で借りてきたもの。解題によると、仁和寺経蔵第一五〇函には多数の寺領文書が収納されており、かつての調査で379点がラビリングされ、そのうち平安時代から室町時代之二(文明期まで)に分類された216番までが翻刻されたもの(ただし同…

『翻刻明月記一』ほか

先週末締切の公募書類をようやく出したら、またもや寝込んでしまうというぐだぐだな状況。せっかく涼しくなったのだが、電車に乗らない・人に会わないという生活がひたすら続くと、リズムの狂いは修正できない。まあ今週後半から少し予定が入り、来週末には…

論文頒布のお知らせ

日曜日は大阪歴史学会大会。報告者のお二人どうもお疲れ様でした。またいろいろとお話しできた方々、また抜刷ほかいろいろ頂いた方々、どうもありがとうございました。また梅田ではちょうど中百舌鳥行きが来たので飛び乗ってしまい、ご同行できなかった方々…

「中世の和泉国衙と荘園制」

昨春に原稿を提出し、先週手渡された『和泉市の歴史6和泉市の考古・古代・中世』第3部「中世和泉の権力と地域社会」第2章として掲載http://www.city.osaka-izumi.lg.jp/kakukano/syougaibu/bunkasinkou/osirase/1368687367556.html。いわゆる自治体史なの…

「一五世紀における淀川水系の寺院ネットワークと地域社会」

2月に原稿を提出し、本日開催の大阪市立大学日本史学会第16回大会にあわせて刊行された『市大日本史』第16号に掲載。副題を「応永一九年北野社一切経書写を手がかりに」とつけたように、一切経書写に結縁した摂河寺院を拾い上げて、聖徳太子伝奥書と合わせる…

『夜久野町史第四巻通史編』

昨日は年寄の様子見(またまたトラブル)で留守にしたため、不在通知が入っており本日到着。2006年1月に京都府福知山市に合併された、旧天田郡夜久野町の通史。全13章と付録からなる1200頁を越える大作で、当方は第3章中世前期の夜久野」(135~199頁)とい…

「中世淀川の流路と交通」

本日ようやくレジュメを送付。一般市民向けのものだが、別の研究会でアレンジして話をするという予定もあったので、史料だけは多数載せておいたため専門的になったかもしれない。前半部分は鳥羽殿・渡辺津などの既発表論文を元にしたが、後半部分はいくつか…

書評『冷泉時雨亭叢書 別巻一翻刻明月記紙背文書』

本日、編集委員会から掲載誌を頂戴しましたので訂正します。関係各位には御迷惑をおかけしました。(7月27日深夜、追記)。 もう刊行されてから時間がたつのだが、掲載誌(『古文書研究』第73号、2012年6月)ぐらい送られてくるだろうと思ってほっておいた…

『橋本市史古代・中世史料』

先日某氏から有用性を教えて頂いて注文していたものが本日到着。またまた寝不足で原稿モードにならなかったため、現実逃避のめくりをしてしまう。当初の予定から大幅な頁削減になってしまったということで、収集していた高野参詣史料の全面採録は叶わなかっ…

南北朝内乱期における丹波荻野氏の動向

『東アジアにおける戦争と絵画』(甲南大学総合研究所叢書110、2012年3月)に掲載され、本日手元に到着。大学院時代に少しお世話した留学生が専任教員として活躍されており、研究費をいただいて論文を書かせてもらったもの。ちょうど某自治体史で調べたネタ…

東京史料閲覧記録

火曜日から久しぶりに東京へ行き、史料の閲覧をしてきたのでその記録を残しておく。21日7:00新大阪発の新幹線で出発し、竹橋の国立公文書館(内閣文庫)に10:00前に到着。興福寺大乗院関係を中心に写真帳を閲覧。出納にやや時間がかかるのは欠点だが(頼んで…

東京大学史料編纂所

月曜日の採点は一次だけで寝かしたままで、2箇所で追試験(レポート)があり、某大学のでっち上げ書類(締め切りは4月半ばになってから)もほったらかしにしているが、ほぼ春休みモードに移行しつつある。今年はこの間に懸案になっていた東京への史料調査…

天皇実録

まだ月曜日に講義が一コマだけ残っているが、それは使い回しになるので、来年初めにする予定の日本および世界の現代史関連の準備モードになっている(昨日は某シンポジウムに参加したがそれは省く・・・)。そういうわけで本日は出身大学の図書館に行き関連…

大阪歴科協12月例会

大阪歴史科学協議会 12月例会 戦後の日本中世史研究を考える 河音能平氏(1933-2003)は、領主-農民関係を基軸に置きながら、政治、経済、社会から、文化、イデオロギーレベルまでを包括する日本中世社会の総体を把握しようという意志をもった歴史家であ…

『大坂御陣覚書』

本日は珍しく地下鉄は遅れることなく動いており、よく晴れていたにも関わらず京都への電車も意外と空いていた。北山では明治期の写真が展示されていたがhttp://www.pref.kyoto.jp/shiryokan/resources/231015.pdf、劣化していたため確認できないものもあり断…

第50回1617会・四天王寺例会「摂津四天王寺をめぐる都市空間の形成と展開」

すでに流通していますが、報告者として研究会の案内を以下に記しておきます。私の報告は準備会でもわかりにくい・不親切とのことで文献史以外がついていくことは難しいかもしれませんが、従来の研究からはかなり踏み込んで議論をしています。また他報告はわ…

書評「桃崎有一郎著『中世京都の空間構造と礼節体系』」

本日到着の『日本史研究』588号に掲載されたが、成稿の事情を書き留めておく。手元にある執筆依頼状の日付が2010年4月19日で、著者の論文は斜め読みをした程度であったが余り何も考えずに承諾の返事を送ったのがきっかけ。昨年の夏休みにメモを取って熟読…

湯本貴和編『里と林の環境史』に寄せて

本日は知り合いの報告を聞きに行く予定にしていたが、昨晩からもう一つ体調が優れず明日も研究会で月曜日の準備も残っていたので家ごもりにした。Fさん申し訳ありません。春休みの怠惰な生活から一転して授業が続き少し疲れが出たようだ。GWは予定がないため…

『河音能平著作集4巻中世畿内の村落と都市』

昨日、下のポストをのぞくと届いていた。2007年に河音夫人から著作集刊行の希望が出され、同年夏に教え子らが集まり作業を進めることになった。生前に刊行された著書の論文および晩年に発表したどの著書にも収録されていない文章を、新たに5巻にまとめ直して…

第2回関西比較中世都市研究会

昨日夜は表題の研究会に参加するhttp://www.lit.osaka-cu.ac.jp/UCRC/。第1回目の大盛況からすると参加者はかなり減少したが、明州・広州・泉州など中国海港都市に関する本報告・ヴェネツィアに関するコメントともに、交易都市における異文化人の居住形態に…

大阪歴史科学協議会一月例会

土曜日は案内はがきhttp://blogs.yahoo.co.jp/osaka_rekkakyo/18342285.htmlに惹かれて久しぶりに参加してみた。古代史研究のスペシャリストたらんと志してきた報告者が、「最初で最後」と断って自身が現代社会をどう認識しており、歴史学の存立基盤さえ失わ…