wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

第2回関西比較中世都市研究会

昨日夜は表題の研究会に参加するhttp://www.lit.osaka-cu.ac.jp/UCRC/。第1回目の大盛況からすると参加者はかなり減少したが、明州・広州・泉州など中国海港都市に関する本報告・ヴェネツィアに関するコメントともに、交易都市における異文化人の居住形態について興味深い事例が報告されており勉強になった。討論でも地中海都市における教会・商業・軍事(造船所)の空間区分が紹介されるなど有益なものだったが、時間的にはやや不足していた感がある。当方は言わずもがなの博多の発掘調査成果を紹介したものの、日本中世史の文献からこの問題を追及するのはなかなか難しいのが現状。終了後は20分ほどさまよってもはや解散というところで、ようやく開いている店を見つけて飲み会に。参加者9名のうち提唱者と当方以外は30代(もしかしたら20代も・・・)の日本中世史以外の若手研究者。インド史・イスラム史がいないのが難点だが、継続していけば新しいムーブメントになるという期待も持てるところ。当方もいずれ報告をしなければならない状況になっており、どういう報告で進めるべきか考えなければならない。帰途はご近所さんであることが判明したスペイン史の研究者と一緒となり、いろいろと状況を教えていただく。日本史でも中・近世の断絶は著しいが、スペイン史でもコロンブス以前と以後で同様の状況があるというのは初めて知った。史料状況に左右されるところが大きいようだが、逆に中世史としての共通性を追求できるかもしれない。なお夕食をとってから参加したにもかかわらず飲み会でも結構食べてしまい、帰ってからも・・・で、まだ腹が重いのは大失敗。