wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

尼崎市立歴史博物館「将軍尼崎出陣‐南北朝内乱と尼崎‐」

眼鏡騒動でGWの下準備が飛んでしまい、その代わりというわけではないが本日観覧。近世の太平記版本・画像などで合戦の経過を辿り(尼崎の女流画家清原雪信作という楠木正成像などもあり)、大覚寺文書の複製、多田院御家人の平尾家文書4点とその枝分かれで館蔵になった1点、館蔵の義詮発給文書1点(公家の「薗殿」宛)、館蔵の天龍寺関係文書3点、個人蔵の後光厳院宣と中世文書が盛りだくさん。なかでも平尾家文書は一部はその存在は知られていたものだが、新出もありそもそも現物にお目にかかるのは初めて。とりわけ軍忠状の記載は詳細で、尼崎周辺の軍勢の動きがよくわかるもの。花押の比定がされていないものもあるが、最後の後光厳院宣(リンク先のHP・無料配布のA3見開きパンフレットにカラー画像あり)以外は写真撮影も可能。また常設展示にも新蔵の東大寺文書(11種類の一斗桝の本当の分量が示された中世後期のもの)が展示。長らく閉鎖されていたHPも復活。

尼崎市立歴史博物館 第11回企画展のお知らせ |尼崎市公式ホームページ