wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

2024-01-01から1年間の記事一覧

神戸市立博物館「コレクション大航海 蝦夷発→異国経由→兵庫行」

中世文書が展示されていることを発見し、本日観覧。3PERTからなり、最初が地図資料、主眼は蝦夷地がどのように描かれているかということだが、1570年オルテリウス「タルタリア図」から始まり、17世紀前半までの日本を描いた地図が揃う。単眼鏡で文字を読んで…

二栢野

もともと当方のリサーチ不足で先行研究を見落とすことも多いが、逆に無視されることも少なくない(早い時期のものについては、拙著に収録する際に記してある)。近年の赤松関係も取りあげられないほうが多いし、先日全国誌に掲載された史料紹介でも拙著の紛…

「中世淀をめぐる交通と流通」

『ヒストリア』第302号(2023年2月)、45~63頁。昨年4月23日に行われた2022年度見学検討会「古代・中世の淀と都市形成」での同名報告をもとに執筆したもので、報告者の松永修平・柏田有香「淀周辺の発掘調査成果‐淀水垂大下津町遺跡を中心に‐」・古閑正浩「…

「ヤジと民主主義 劇場拡大版」

本日は某大学との団交。当方は出講していないところだが、退職後の図書館利用も今後の大きな課題(研究を続けるだけの余力があることが前提だが・・・)。1日ということもあって、行きがけに表題の映画を鑑賞。2019年7月15日に札幌で行われた安倍晋三首相(当時…

再掲「瀬戸内海の海人と水軍」

まだ人数に余裕があり、電話での申込みが可能とのことです。

原田信男『豆腐の文化史』

引き続き、旅のお供にした電車読書の備忘。昨年末に何となく衝動買いしていたもの。伝承では漢代に淮南王が考案。著者は考古資料と西域牧畜社会の発酵文化に源流をもつ製法からその可能性はあるが、ローカルなもので唐代後半以降に広まったと理解。日本の初…

熊野古道

当初は日帰りとも思ったが、せっかくなので月曜日は熊野本宮へ。大学院時代は戸田さんの晩年(直接お話ししたのは90年の大歴大会懇親会のみ)ということもあって、熊野に行く企画がなく、昨年ようやく速玉・那智へ(ここには記さず)、今回は本宮に向かうこ…

紀伊田辺

たまたま情報を知り、日曜日は当地で開かれた研究会で石造物の最新研究の成果をお勉強。大学院の先輩にも久しぶりにお目にかかり(今年度で定年退職で、郷里に帰られるとのこと)、新しくご挨拶が出来た方もあり、その点でも有益。ここでもやりとりのあった…

青野利彦『冷戦史』下

明日・明後日と遠出することしたため、読みさしの表題書を片付け。上に引き続き、1960年代半ばから90年代前半までと総括(当方の講義は米中接近から)。転換点として強調されるのは70年代からの経済のグローバル化で、それにより第三世界の分裂、ソ連型経済…

2023年度確定申告

いつものように書きかけたのだが、源泉徴収票が給与8枚・雑所得8枚もあり、電子申請に変更(昨年春に日和ってマイナンバーカードを取得していた)。手続きそのものは思ったより簡単で、1時間ちょいで仕上げて提出。順当に行けば10万円以上の所得税が還付され…

青野利彦『冷戦史』(上)

昨日読了した電車読書の備忘。今年度の講義には間に合わなかったが、来年に向けて購入していたもの。上巻264頁は、イデオロギー国家としての米ソの登場と世界大戦から説き起こして、キューバ危機とケネディ暗殺・フルシチョフ失脚まで。わかりやすい筆致で米…

兵庫県立博物館「古銭・古札を楽しむ‐館蔵・寄託のコレクションから‐」

引き続き研究会会場で開催されていた展覧会について。担当学芸員にはお目にかかれなかったが、関係者によると日本だけでなく世界の貨幣のコレクションが寄贈されていたとのことで、それについての初の本格的な展示。中世に関しても渡来銭・模鋳銭・琉球銭な…

兵庫県立考古博物館「福田片岡遺跡‐中世の道と物流‐」

本日、研究会に出かけるついでに観覧。発掘調査自体はかなり前で、このタイミングで企画された理由は不明だが、弥生中期から江戸以降まで9期にわたる変遷と出土遺物が展示。最盛期はⅦ期の室町前期で、「鵤荘絵図」に描かれた筑紫大道の延長線上に、鎌倉初期…

竹沢尚一郎『ホモ・サピエンスの宗教史』

昨日までお出かけ3日間で約10万歩。諸事情で内容には触れないが、お供にした表題書を帰路の最寄り駅直前で読了したので、紹介しておく。宗教の起源を集団での儀礼・祝祭と捉え、人類の起源。狩猟採集民段階でのアニミズム。農耕民と牧畜民による儀礼の体系の…

貴志俊彦・石橋悠人・石井香江編『情報・通信・メディアの歴史を考える』

明日から遠出ということで、電車読書の残りを片付け。秋の割引販売の際に、非常勤先との関係でタイトルのみで購入していたもの。石橋論文が19世紀の通信網の拡大とグリニッジ標準時の成立について。石井論文が同じ「見えない労働」の一方で、ジェンダー化さ…

ひょうご歴史文化フォーラム「瀬戸内の海人と水軍‐古代・中世の淡路・阿波・紀伊‐」

当方も登壇することになった企画。いまのところ以前に報告書に執筆したものに、沼島の資料調査成果を加えたものになる予定。 rekihaku.pref.hyogo.lg.jp

大東史跡めぐり

本日の某所での団交の前に、周辺を散策したので紹介しておく。 石造九重層塔(判読できなったが、永仁二年とのこと。笠に少し違和感はあるのだが・・・、なお野崎城の曲輪の一郭でもある) 平野屋新田会所跡(近年まで建物があったが住宅開発で破壊され、一部遺…

秋田茂『イギリス帝国盛衰史』

昨日の電車読書の残りを片付け。講義がらみで衝動買いしていたもの。書き下ろしではなく、著者のインタビューを、プロの執筆者が書き起こし、著者が校閲したとのこと。文章は非常に平易で、受講生にも推薦できるもの。ただサッチャーを身分制の打破として高…

京都国立博物館「辰づくし‐干支を愛でる‐」

本日は枚方定期試験190人、夜はD社団体交渉(ひどい対応で、疲れた・・・)。その合間に表題の展覧会を観覧。目を惹いたのが「十二類絵巻」(干支の台詞も興味深く、合戦場面は長槍で相手を突き刺す描写がリアル)、「俵藤太絵巻」(竜宮城の従者がさまざまな貝…

金子拓『長篠合戦』

本日は千里山定期試験、少しトラブルがあったが何とか終了。この間は文字通りの引きこもりで、ようやく電車読書の読みさしを片付ける。講義でも触れているので購入していたもの。従来の通説とその前提となった近代の戦史とそこから展開した歴史小説を紹介し…

四天王寺宝物館「たいしたもんだよ、お太子さん!」

本日、組合執行委員会前に観覧。圧巻は「四天王寺縁起」で、根本本と後醍醐天皇宸翰本が並べられている。根本本をちゃんと見たのは初めての気もするが、意外と字が稚拙な印象。拙稿も含めて寺内勢力が寛弘四年発見の直前に作成したと理解しているが、あえて…

清水俊史『ブッダという男』

昨日は組合団交。昨年かなり突き上げたこともあって、わずかながら賃金アップ回答。ただ半期1コマ減るので、恩恵もその分なくなることに・・・。昨晩はバタバタしていたので、電車読書の備忘にようやくたどり着く。購入するつもりはなかったのだが、著者がパワ…

地方史研究協議会編『徳島から探求する日本の歴史』

本日は枚方最終回。1972年以降の現代史パートで、先週少し手を入れたが、もう少し整理が必要だったことに気づく・・・。電車読書は12月のカタログ販売で購入していたもので、某プロジェクトのこともあって地域史のお勉強。一般向けということもあって中世史パー…

家永真幸『台湾のアイデンティティ』

本日は新年初出勤、久しぶりの3コマで喉はボロボロ、その上に夜のリモート会議でヘロヘロだが、電車読書の備忘だけ残しておく。この講義のこともあって何冊かの類書から購入していたもの。民族構成について本日触れたように全体的には有益で、国民党独裁時代…

尼崎市立歴史博物館「特別展(後期)尼崎市指定文化財の精華」

正月は引きこもり。その上に能登半島地震の惨状と政府の無策に気を取られ、ほぼ何もしないまま時が過ぎる。そんな中で久しぶりの気分転換で観覧(といっても自転車で25分だが・・・)。圧巻は東大寺領荘園文書3点で、東大DBでもヒットしない平安時代の文書。①長…

2024年のご挨拶

お陰様をもちまして、つつがなく新年を迎えることができました。ご厚誼に感謝申し上げますとともに、本年も変わらぬご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。 2024年正月 昨年3月で播磨赤松氏研究に一応の区切りを付け、「鳴門の渦潮」調査研究プロ…