wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

貴志俊彦・石橋悠人・石井香江編『情報・通信・メディアの歴史を考える』

明日から遠出ということで、電車読書の残りを片付け。秋の割引販売の際に、非常勤先との関係でタイトルのみで購入していたもの。石橋論文が19世紀の通信網の拡大とグリニッジ標準時の成立について。石井論文が同じ「見えない労働」の一方で、ジェンダー化された女性の電話交換手・男性の通信技師の職場環境、さらにコラムとしてコールセンターを取りあげ。貴志論文が戦前日本の画像通信技術と検閲について扱い。最後に高校教員を交えた質疑応答で構成。こういった技術史は全くなのでいろいろ勉強になり、松前重義が工学畑だったというのも初めて知った。ただいまさらABCD包囲陣かというのと、有効な図版がなかった(汪兆銘の漫画風のフォトレタッチは興味深いのだが、少し荒すぎる)のは残念。

《いまを知る、現代を考える 山川歴史講座》情報・通信・メディアの歴史を考える | 山川出版社