wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

兵庫県立考古博物館「福田片岡遺跡‐中世の道と物流‐」

本日、研究会に出かけるついでに観覧。発掘調査自体はかなり前で、このタイミングで企画された理由は不明だが、弥生中期から江戸以降まで9期にわたる変遷と出土遺物が展示。最盛期はⅦ期の室町前期で、「鵤荘絵図」に描かれた筑紫大道の延長線上に、鎌倉初期の井戸を埋めて道が造られたことが明確になり、それをはさんで多数の掘立柱建物が検出。中国産・常滑備前なども出土している。遺跡を林田川をまたいだ地名が誉田町広山、拙稿で触れたように14世紀後半には将軍が滞在する「弘山御所」が維持されており、嘉吉の乱の際の着到も弘山で行われている。図録はないが遺跡の変遷を記したカラー・パンフレットが配布。

冬季企画展「福田片岡遺跡-中世の道と物流-」 | 兵庫県立 考古博物館