正月は引きこもり。その上に能登半島地震の惨状と政府の無策に気を取られ、ほぼ何もしないまま時が過ぎる。そんな中で久しぶりの気分転換で観覧(といっても自転車で25分だが・・・)。圧巻は東大寺領荘園文書3点で、東大DBでもヒットしない平安時代の文書。①長久五年八月廿六日付摂津国宛の官宣旨案は、田堵が寺役を対捍しているため官使を派遣。②長久元年十一月廿八日付摂津国宛ての官宣旨案は、水成瀬・猪名庄の造内裏役を免除。③天喜四年二月廿三日付の水成瀬庄田堵等解は、造殿材木の免除を訴え。図録には②・③のみ写真・釈文が掲載されているが(①は釈文だけ配付資料にあり)、紙の傷みもあって未判読の箇所あり。なお出品予定にも入っていないが図録によると大和国清澄荘の荘官の役負担の免除などを命じた館蔵文書2通も『平安遺文』未収とのこと。その他に天龍寺関係文書(刊本は思文閣出版)、足利義詮書状・義教御判御教書(図録掲載)、隣村が「浦浜境目」を争った裁許状など寺岡家文書2点(図録掲載、手軽なのは県史1)などもあり見応え大。展示は2月12日までで、後期は別の文書が掲載。常展は11月と同じでこちらは今年度の展示替えはなさそう。