貴堂嘉之『移民国家アメリカの歴史』

本日は枚方100分3コマで16・17C川北システム論。一時のPCトラブルは解決したが、寄る年波に体力は消耗…。そういう中、講義のこともあって衝動買いしていた表題書を読了https://www.iwanami.co.jp/book/b376444.html。「帰化不能外国人」とされた19世紀以来の中国系・日系、ベトナム戦争後のインドシナ難民といったアジア系移民に対するアメリカの政策と、移民自身の戦いを通して、グローバル・ヒストリー、アメリカ帝国史として現在まで通覧したもの。それによって「移民国家アメリカ」の白人イデオロギーのもつイデオロギー性が明らかにされ非常に興味深く、次回の講義資料に米市民権申請が「自由白人」に限定されていた旨を増補することができた。日系移民については少しばかりは予備知識があったが、公民権運動との関わり、9.11後のイスラム系コミュニティとの連帯など、アグレッシブな活動をしていることは全く知らず、中国系移民についてもいろいろ勉強になった。また日系のみでも米移民と植民地移民との関わりなど、移民史がさまざまに開かれるべき魅力あるテーマであることも実感された。