本日はシニア講義と組合事務所。電車読書はタイトルに惹かれて衝動買いしてしまっていたもの。文化心理学という研究領域で、文化の心理的中心傾向が、欧米、サブサハラ・アフリカ、中東・北アフリカ、ラテンアメリカ、南アジア、東アジア、で特徴的に分類できるという主張。ただ東アジアは稲作を生業とする農村共同体の伝統に由来するといわれても、日中間はもとより、日本国内でも相違は少なくないことは、少し調べればわかること。著者は京都大学からアメリカ留学、母校に戻った後に、アメリカの大学で活動し心理科学協会会長なども務めたとのこと。そのためサンプルも多くはアメリカで収集されているようで、東アジア系の移民コミュニュティが近い関係にあることが要因で、中国で大々的な調査をすれば全く違う結果が出るように思える。著者は漁師町焼津で寺の息子として育った違和感を記しているように、心理反応もさまざまな社会関係によって相違・変容するもので、風土だけで区分するのはあまりにも乱暴な議論だとしか思えない。