『文明の交差路としての地中海世界』

本日はH大院生にお願いして写真帳を閲覧させていただく。月曜日の報告のためだったが、想像以上に問題は複雑であることに気づき今回に組み込むことは断念。とりえずコピーだけはとらせていただき、偶然にも某先行研究にもぶち当たったので、落ち着いてからじっくり考えることにしよう。そんなこんなで電車読書のほうは衝動買いシリーズを読了http://www.hakusuisha.co.jp/book/b239498.html。書店で見かけ、タイトルで省略した著者がブーシュラ・ラムゥニ・ベンヒーダ／ヨゥン・スラウィという二人のモロッコ人であることに釣られたもの（邦訳者は吉田敦）。アフリカ北岸・中東・ヨーロッパという地中海世界全域の特質・歴史・文化に触れた上で、アラブの春、水・エネルギー資源、情報メディア・教育・ドラッグなどの現状に触れて、展望を示したものだが、余りにも総花的でデータが示されているだけに見え、西欧民主主義体制を基準にしているのも図式的な気がした。中国の教育進出（日本は80年代に前向きなことを全くしなかったように思える）など興味深い事例もあったが、もう少しモロッコに焦点を当てるなど独自の方法が欲しかったところ…。