wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

金子拓『長篠合戦』

本日は千里山定期試験、少しトラブルがあったが何とか終了。この間は文字通りの引きこもりで、ようやく電車読書の読みさしを片付ける。講義でも触れているので購入していたもの。従来の通説とその前提となった近代の戦史とそこから展開した歴史小説を紹介し…

四天王寺宝物館「たいしたもんだよ、お太子さん!」

本日、組合執行委員会前に観覧。圧巻は「四天王寺縁起」で、根本本と後醍醐天皇宸翰本が並べられている。根本本をちゃんと見たのは初めての気もするが、意外と字が稚拙な印象。拙稿も含めて寺内勢力が寛弘四年発見の直前に作成したと理解しているが、あえて…

清水俊史『ブッダという男』

昨日は組合団交。昨年かなり突き上げたこともあって、わずかながら賃金アップ回答。ただ半期1コマ減るので、恩恵もその分なくなることに・・・。昨晩はバタバタしていたので、電車読書の備忘にようやくたどり着く。購入するつもりはなかったのだが、著者がパワ…

地方史研究協議会編『徳島から探求する日本の歴史』

本日は枚方最終回。1972年以降の現代史パートで、先週少し手を入れたが、もう少し整理が必要だったことに気づく・・・。電車読書は12月のカタログ販売で購入していたもので、某プロジェクトのこともあって地域史のお勉強。一般向けということもあって中世史パー…

家永真幸『台湾のアイデンティティ』

本日は新年初出勤、久しぶりの3コマで喉はボロボロ、その上に夜のリモート会議でヘロヘロだが、電車読書の備忘だけ残しておく。この講義のこともあって何冊かの類書から購入していたもの。民族構成について本日触れたように全体的には有益で、国民党独裁時代…

尼崎市立歴史博物館「特別展(後期)尼崎市指定文化財の精華」

正月は引きこもり。その上に能登半島地震の惨状と政府の無策に気を取られ、ほぼ何もしないまま時が過ぎる。そんな中で久しぶりの気分転換で観覧(といっても自転車で25分だが・・・)。圧巻は東大寺領荘園文書3点で、東大DBでもヒットしない平安時代の文書。①長…

2024年のご挨拶

お陰様をもちまして、つつがなく新年を迎えることができました。ご厚誼に感謝申し上げますとともに、本年も変わらぬご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。 2024年正月 昨年3月で播磨赤松氏研究に一応の区切りを付け、「鳴門の渦潮」調査研究プロ…

曽根ひろみ『娼婦と近世社会』

予告通り本年最後の電車読書の備忘。春のカタログ販売で購入して積ん読になっていて、ちょうど途切れたタイミングでようやく読了(先日、秋カタログと新本屋で12冊積んだところ)。初版は2002年で90年代論壇の「自由意志による売春」という議論に対して、や…

冬休み

年内にあと一回、所用で出かけなければならないのだが、本日から1月8日まで冬休みという小・中学生なみの状況。しかも昨年まで7年続いた正月明け締切原稿がお役御免になったため、直近に片付けなければならないのは校正1本と来年度のシラバスのみ。あとは雑…

大阪城天守閣「信長戦記」

本日所用ついでに観覧。入口に行列ができるほどのインバウンド客だが、文書展示はさすがに人気がなくじっくり字を辿ることができた。信長の花押・印判に着目した展示で、内容も興味深い。文言をみていると最初のころは結構へりくだっていて、次第に戦果自慢…

田辺旬『戦死者たちの源平合戦』

本日は枚方3コマ。久しぶりに電車も含め、大きなトラブルもなく何とか終える。まだバタバタしているが電車読書の備忘を簡単に。珍しく拙稿が引用していただいているが、御礼の返事もできていなかったもの。戦死の意識(最高の恩賞という見解を否定して、戦傷…

新宮学『北京の歴史』

本日は自治体史の巡検、極寒の中でだったが新資料も実見でき、なかなか有益。ただし今年度中にめどを付けなければならない。そんな中で先週末の遠出のお供の読みさしを片付ける。10月末で切れるポイント消費の必要もあって衝動買いしていたもの。遊牧・農耕…

「非常勤の声」75号

koe75.pdf (hijokin.org) 全文はこちらからご参照ください。 表だけ抜き書きしておきます。 今のところ来年度前期は6コマ、後期は7コマ。しかもこれより低賃金のところばかり。 いくつか団交を予定していますが、余ったコマがあればよろしくお願い申し上げま…

樋口健太郎・栗山圭子編『平安時代天皇列伝』

本日は枚方3コマ。資料を印刷し、PCを借りて学内アドレスでメールを開くと、本日授業があるのかという問い合わせが2件。慌てて事務室で聞くと、最初はあります、月曜日でした今日はありません、との返事。二月に受け取った行事予定を手帳に書き込んでいたい…

徳山

8日夜はどの店も満員で、4軒目に入れてもらう。ただまわりはほぼ常連客でアウエー感は満載。メニューに値段もなく7000円の飲み食い。9日は6:40起床、無料朝食をたらふく食べて、7:40出航のため港に向かう。ところがコロナで船員が足らないらしく運休とのこ…

柳井

当初の予定より1時間早いバスに乗れたので、柳井も踏査。伝建が残り、中世の地割りを残しているとの解説があったのだが、資料館施設にも近世絵図すら示されておらず、あまりよくわからなかったのが残念。防府・山口は中世都市が残るとされるが、こちらは不勉…

上関と室津

祝島から船で戻って、上関と室津を踏査。こちらがもともとの念願で、船上と高所から状況を確認。廃仏毀釈の影響もあってか(朝鮮通信使に関わる曹洞宗寺院も廃寺になったとのこと)、中世の石造物は見られず。伊予の島々とは大きく異なり、もともとそうだっ…

周防祝島

土日は科研費の史料調査にまぜていただくことになり、その途中ということで6:13新神戸発で周防島巡りに出かける(主催者には報告済)。9:30柳井港からのフェリーに乗ってまずは祝島へ。乗船が他に一人だけだったが、室津からは仕事らしき人たちが乗船(支所…

印税

先日ネットの銀行口座の収支をみると、出版社から4桁の入金。全く覚えがなく不審に思っていたところ、本日明細書類が到着。何と単著オンデマンド版が13冊売れたようで、その印税とのこと。遙か昔に断裁されており、とりあえずありがたくいただいておく。単著…

高島正憲『賃金の日本史』

本日は枚方3コマ。印刷した資料の一部に今回と異なる部分があるという痛恨のミス。あわててOneDriveからファイルを引き出し、何とか開始時間までに取り繕うことができたのが幸い。そういうことを露とも知らず行きがけで読了したのが表題書。専門書は断念した…

鹿毛敏夫『世界史の中の戦国大名』

引き続きというか、本来は昨日読了していた電車読書の備忘。これまた明日の講義用に購入していたもの。16世紀半ば以降の戦国大名による地域国家の外交を、伝統的な「中華」世界の殻を破った稀有な事例と評価し、それが欧米諸国の交渉に応用され、伝統的国際…

堺市博物館「特別展都市の祈り‐住吉祭と堺」

本日午後の組合学習会の前に観覧。初公開のサンフランシスコ・アジア美術館所蔵「住吉祭礼図屏風」をはじめ、17世紀の住吉祭が描かれた屏風、対は四天王寺・賀茂競馬・播磨国総社(最後は後期のみということで図録だけ)で基準は不明。同一工房という司馬遼…

和気

本日は学部の同窓会。一番逢いたかった旧友とも久しぶりに話ができてよかったが、指導教官と会話する機会がなかったのが残念。14:30からだったので、財政事情と拙稿「赤松氏の拠点形成」で取りあげたままになっていたことから、在来線を利用して「将軍家御…

三木市立みき歴史資料館「企画展 地域の史料たち7~三木の歴史~」

本日は自治体史の会議と現地調査があり(本日から土日祝は12月17日まで予定が連続)、そのついでに表題の展覧会も観覧。ちょうど市史地域編が刊行されたため(こちらは地元の方がまとめたもの)、それにあわせたもの。六勝寺の瓦も焼いた久留美遺跡出土の瓦…

グウィン・ダイヤー『戦争と人類』

本日は枚方3コマ。京阪特急が意外と空いていて助かっているが、やはり帰りはヘロヘロ。それでも衝動買いしていた表題書を読了。原始から現代までの戦争の特質を社会的要因・形態などの抽出しながら概観し未来を展望したもの。暴力的だが構成員内部の成人男性…

山口昌男『アフリカ史』

引き続き電車読書の備忘。1977年刊行書の文庫化だが何となく衝動買いしてしまい、講義のアフリカ分割前にはと思い読了したもの。もっとも著者の専門は文化人類学で近現代史の一部は別の著者の手を借りており、研究水準も当時の状況に規定。むしろそれ以前の…

和歌山市立博物館「葛城修験の世界」

ついで徒歩で表題の展覧会へ。県博と異なり展示リストがなく、HPにあがっているのも現在の友ヶ島での行者の写真と現役の神変大菩薩像(役行者像、近世作)だが、中世文書もそこそこ。海村史料として知られる向井家文書だが、「迎之坊」と称され、近世に聖護…

和歌山県立博物館「紀州・明恵上人伝」

午前中に所用があったのと、貧乏人に優しい無料観覧日という事情で、関空・紀州路快速で出かける。隣に大きなスーツケースをもった若い男性が二人。スマホをチラ見したら英語だったので、この車両は関空行きではないというのをどうやって説明しようか悩んで…

「燃えあがる女性記者たち」

以前から気になっていた作品が、近所の映画館でちょうどよい時間に上映されることになり、本日サービス・ディを利用して観覧。インド北部(ニュー・デリーの西側らしい)の州で創刊された不可触民出身の女性たちが立ち上げたという報道機関(週刊新聞と動画…

内藤正典『トルコ 建国100年の自画像』

引き続き電車読書の備忘。同時購入した3冊本のうち、講義順で最後になったもの。とかく西側諸国から非難されているトルコ・エルドアン政権について、建国以来の矛盾と西側のイスラムフォビアから読み解いたもの。フランス・ライシテをモデルにしたような世俗…