wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師・研究員などとして生活の糧を得ていますが、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

ユルゲン・コッカ『資本主義の歴史』

本日は有休を取り父親の通院二件をまとめてこなす。現状は安定しているが、来たるべき時は近づいているとのこと…。そんな中、タクシー・検査待ちなどの間に表題書を読了。書店で偶然見かけ訳者(山井敏章氏)あとがきの「これは日本の歴史学、とくに経済史学にとって、そして西洋経済史を専門とする私自身にとっても重要な書物だと思うようになった」という文章に惹かれ、衝動買いしたものhttp://www.jimbunshoin.co.jp/book/b374959.htmlマルクスヴェーバーシュンペーターという古典から説き起こし、1500年以前の商人資本主義、1700年代までの植民地支配・金融資本主義・奴隷制・プロト工業化・啓蒙主義など諸要素の登場、それ以後の工業化・金融化・労働・市場と国家の関係に触れ、自由の巨大な進歩の一方で、拡大する不平等と「構造的無責任」といった問題点が取り上げられ、資本主義に対して優位に立つオルタナティブな存在は確認できないが、内部であれば、多様なバリエーション・オルタナティブの発展は考えることはできるし、改革は終わらない課題であるとされる。解説にもあるように、ポメランツなどグローバル史が経済成長に重点を置くのに対し、著者はむしろ「古典的」で内実に焦点を当て「民主主義」を重視したもの。コンパクトながら来年度の講義に得るところもあり、いろいろと勉強になった。