wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師・研究員などとして生活の糧を得ていますが、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

河添房江・皆川雅樹『「唐物」とは何か』

本日は公務出張で和歌山。またまた25000歩となり疲れたが、いろいろ勉強になり、珍しく自分用のお土産も購入。ただJRは完全に見捨てたようで、紀州路快速は特急通過待ち2度・日根野連結で計3度無駄に停車。まあそのおかげで電車読書はすすみ、備忘を簡単に。講義がらみで直近に割引注文したもの。平安期の「唐物」研究を主導してきた編者が、近年の「唐物」は消費財に過ぎないという新国風文化論への反論ということで、改めて通時的に執筆者を集めて編んだもの。ただそのため各時代の「唐物」概説に過ぎないものも半分ぐらい含まれ、新しい素材を仕入れるというこちらの期待とはややズレており、このシリーズとしてもどうかとも思う。なお主要な論点でいうと、実際の渡航者が多数いる前後の時代と比べて、ほとんどみられない10・11世紀が内向きなのは否めず、当方の講義でも神国思想とケガレ観念は強調している。また室町期の武家儀礼の贈答品が唐物と刀剣になるのはなぜなのかも気になるところ。

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