wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

バーツラフ・シュミル『エネルギーの人類史』上巻

本日はルーティン姫路、通勤時に大ミスをしてしまったが、何とか事なきを得る。先週末の東京往復もほぼグッタリしており、本日ようやく表題書を読了。2011年を経験してエネルギー史をやらなければならないと公言しながら全く果たせないまま、書店で見かけ衝動買いしてしまったものhttps://allreviews.jp/review/3260。ただし当方が考えたライフラインに伴う狭義のものというより、本書は狩猟・農業生産・動物による輸送・土木工事なども含めたエネルギー必要量全般を扱ったもので、本巻は先史時代・伝統的な農耕・産業化以前の原動力と燃料と、産業革命以前を対象としたもの。世界史的な動向は整理されており、木炭製鉄に伴う森林伐採の激しさなどいろいろ勉強にはなるが、やや当初想定したものとは異なる印象。購入していない下巻で化石燃料文明を論じた最後に、世界の歴史の中のエネルギーとして総括がされるようで、本巻は淡々とした叙述のみで、エネルギーを計算するためのコラムと称する部分もかえって邪魔。著者のバックボーンもわからないままで、中途半端ではあるものの読み進めるべきかどうか迷うところ…。