本日は千里山、受講生とりわけ新入生のペーパーが汚染まみれ。明日分はかなりくどい前説を配布したので、全体的にはまともなのだが、少し説明しただけのこちらはどうしようもなく、まともに配布プリントすら食わせられないものも多数。大学全体で自覚的に取り組まないと、どうしようもない卒業生を輩出することになるだろう。そういう中で、電車読書の備忘は表題書。国立歴史民俗博物館に所蔵されている「広橋家旧蔵記録文書典籍類」に関する共同研究の成果を、わかりやすく記したもの(別に研究報告で論文集が刊行されるらしい)。鎌倉時代の朝廷・摂関家の政務を支えるイエの成立から、南北朝・室町期の「武家伝奏」としての活動、戦国期における状況という、広橋家の全体像、所領、当主の記した日記の特質などが、解説される。特に南北朝期を経た朝・幕関係の再構築において枢要な役割を果たしたことが示され、いろいろ勉強になった。当方が鎌倉期の経光による部類記作成(残念ながら経光の日記でないものは、現在も紙背文書を含め多くが活字化されていない)など、この問題に取り組んでいたのは約30年前のこと。その後の研究条件の刷新(所蔵写真帳をコピーするしかなかったのが、現在はネットで画像が公開)により時代遅れになったため、引用もされていないが、「執筆者一同」の短冊でいただけたのは、前代の先駆的研究として少しは評価されたものか・・・。なお献呈は個人情報なので普通は記さないのだが、そのような事情であえて明記した次第。厚く御礼申し上げます。