今週は淡路づいていて、火曜日に成果発表会、本日は三原平野のレンタサイクルを使っての現地調査。薄い長袖シャツにしたのはよかったが、やはり疲れ発泡酒も入っているなかで、高速バス読書の備忘。もともと購入して一番下に積んでいたのだが、某氏からうかがい今回のお供にしたもの。和歌の内容・質・歴史的評価を専門としつつ、記録はもちろん古文書までフル活用できる著者ならではのもので、和歌集の編纂をつうじてみた鎌倉期の政治史・公武関係史。なかでも全く蒙を啓かれたのが、すこし聞き及んでいた鎌倉後期の住吉神主津守氏の評価。和歌所において名目的な師範のもと実務面で重要な役割を果たすとともに、撰者が住吉・玉津島に参詣し、大覚寺統の編さん事業に資金提供していた可能性があるとのこと。もちろん津守氏が和歌で登場することは知っていたのだが、そこまでのもとは思わなかった。鎌倉後期に住吉社・津守氏が突如浮上する理由は、蒙古襲来だけではなかったことになる。その他に得宗被官にまでおよぶ武家歌人の洗い出しに加え、その背景についての考察も勉強になる。選書だが詳細な索引があるのも有益。なお続編も刊行されるらしい。三木市史本文編での細川荘を抱える身としては、ともかく早く出してほしいところ。