wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師・研究員などとして生活の糧を得ていますが、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

『現代思想 ウクライナから問う』

先週は明日の報告準備をしていたものの、結局ダラダラと過ごしてしまう。外仕事は金曜日のみだったが、東京以来抱えていた表題書だけは処理をしておく。出版社のスタンスに沿う思想・文学の専門家をかき集めたという感じの総勢41人の執筆者。論点がダブるものも少なくなく、ロシアを悪魔化しただけというものもあった(当方の政治的スタンスは「プーチンは戦争を止めろ」だが、それだけの議論なら読む必要はない)。歴史系はロシア史家の対談とモンゴル帝国史のみ。ベラルーシリトアニアなどの周辺地域の状況、より国際関係論的視点、大規模な国際的な軍拡がもたらす温暖化への影響、食糧問題(ニュースではロシアの妨害を排してウクライナが輸出できるかどうかが話題になっていたが、長期化したらそれどころではないはず)も知りたかったところ。それでも先に紹介した『物語ウクライナの歴史』より複雑な構造、ロシア宇宙ステーションの現状などいろいろ勉強にはなった。

青土社 ||現代思想:現代思想2022年6月臨時増刊号 総特集=ウクライナから問う

本書でしばしば取り上げられたドゥーギンが乗る予定だった車が爆破され娘がなくなったとのこと。ニュアンスの差はあるがそれほど重要人物と捉えるべきではないとの評価だったようだが、どういう事情なのだろうか。昨日のNHKではクリミアの爆発はウクライナの工作ということになっていたが(なお当方はNHKの自国報道はロシアと変わらないと考えているが、国際報道は一応観る立場)。

「プーチンの頭脳」ロシア思想家の娘、爆弾で死亡 車に仕掛けられ