wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

グレート・インディアン・キッチン

本日は枚方定期試験447名、コロナ関連の追試が10名以上いそうな感触だがともかく途方に暮れる数。そうなると現実逃避ということで久しぶりに新本屋に寄って、表題の映画を鑑賞。旧家に見合いで嫁いだモダンな感覚をもつ女性の物語。少しは理解のある義母(大卒だが専業主婦にさせられたらしい)も娘の出産手伝いで離れ、新婚早々に一人で家事をこなさなければならなくなる。飯は釜で炊け、ミキサーは使うな、洗濯は手洗いで、歯ブラシまで持ってこさせる義父と、弁当作れ、夜は飯ではなくチャパティ、水道漏れにも対応せず、セックスはいきなり挿入だけという夫、注文が多く料理だけして片付けない親戚、生理の時だけお役御免になる代わりにケガレとして床に寝かされる始末。舞台はインド南部のケーララ州(インド共産党が与党で女性の社会進出が進んでいる地域とされる)でマラヤーラム語(HPより)にたまに英語が混じる。結末はなるべくしてというものだがインド舞踏とダンスの対比が効果的。映画の半分は裸足の土間でカマドとガスコンロが併用されているスペースでの料理の場面で、スマホSNSだけが現代であることを際立たせている。原題も定冠詞がついているだけで、代々の夫婦写真を写す場面があり、ずっと女性がそれを担わされてきたことを示すもの。ただそもそも使用人なしにこなすのは無理芸で、日本でいうと1970年代の田舎の長男の嫁の境遇というところ。

映画『グレート・インディアン・キッチン』オフィシャルサイト 2022年1/21公開