wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

平賀緑『食べものから学ぶ世界史』

本日はワクチン二回目(モデルナ)。11時前に接種して先ほどが最もきつかった、ただ体温計が電池切れになっており、正確な数値は不明。それでも電車読書だけは片付けておく。近代世界システムの成立(砂糖)、過剰生産と世界恐慌(小麦)、戦後の大量生産・大量消費(「デブの帝国」)、「南」の途上国(「緑の革命」)、日本における食と資本主義(著者の専門は植物油)、グローバルゼーション(「中国の豚」)と、食糧供給システムの変遷から世界経済史をたどったもの。岩波ジュニア新書という媒体とは思えない参考文献はどうかとも思うが(いちおうクリアしているのは『砂糖の世界史』のみ)、後期の一年生向け講義の参考文献には掲げられるか。なお著者は大学卒業後に、香港に留学・就職、そこで鶏をさばき、丹後で自給自足生活、ロンドンで修士、京大経済で博士(指導教官は岡田知弘氏)、京都橘准教授で、カタカナ名前の亡き夫への謝辞で終わるという、すごい遍歴。このパワーがなせる力業。

食べものから学ぶ世界史 - 岩波書店