wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

石川禎浩『中国共産党、その百年』

引き続き電車読書の備忘、評判を目にして衝動買いしていたもの。第一章革命の党の出発、第二章権力への道が、結成から人民共和国建国までの歴史。第三章毛沢東とかれの同志たちが、毛沢東の一生とその影響力。第四章人民共和国の舵取りが文革まで、第五章革命を遠く離れてがデジタル社会まで、おわりにー百年目の試練で新型コロナウィルスをめぐる一連の対応までが叙述される。あとがきまでで362頁と大変長いのだが、説明はわかりやすく、おりおりの流行歌をめぐる13のコラムによって文化的変遷も示される。これから10年、中国の動向と温暖化が人類社会の存立に決定的岐路をもたらすと思われ、その点でも抑えておきたいところ。なお著者は結党時から共産党は会議と文書主義を貫いており、文革以前の共産党史料は存在するが秘匿されているとみている。それが事実ならその行く末も注目される。

筑摩書房 中国共産党、その百年 / 石川 禎浩 著