wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

京都博物館二題

本日は中百舌鳥朝一。その後は昼食用に割引サンドイッチを購入して地下鉄に乗ったが、鞄を確認すると金券屋で購入していたチケットが見当たらない。別の鞄から移すのを忘れるという大ミス。仕方なく途中で下車し自宅に戻り買い物を済ませるも、やはり気を取り直し再び地下鉄に乗り京阪七条へ。バス停が見つからず河原町七条から京都駅回りで堀川七条で下車し、徒歩で龍谷ミュージアムへ向かい、企画展「因幡平等寺」を観覧https://museum.ryukoku.ac.jp/exhibition/ex.html。やはり「因幡堂縁起」は見応えたっぷりで、写真で展示期間外の部分も示されていた。本尊薬師如来像と近世につくられた火災時に備えた綱・車輪付の厨子清凉寺式釈迦如来如意輪観音など鎌倉期の仏像優品が結構あるのもはじめて知った。近世の境内絵図・後援者高島屋初代の存在・北村季吟筆の高倉厳島御幸関係記録なども興味深いが、寺宝展という性格から関連史料が近世・近代の日記写本のみで(明治書写の東寺執行日記があるのは少し驚いたが)、当方がかつて使った東寺百合文書などがないのはやや残念、図録も小ぶりの割に高価で見送り。ついで遠回りのバスに乗るものだるく、日差しが思いのほか強かったこともありタクシーで京都国立博物館へ向かい、特別展「国宝一遍聖絵時宗の名宝」を観覧https://www.kyohaku.go.jp/jp/special/index.html。運転手も愚痴っていたように観覧客はさほどでもなく、余裕で熟覧できる環境。テキストが少なく期待していた複数の「遊行上人縁起絵」から、武家邸宅の馬場・矢制作、石工、石投げ、被差別身分が全くみられない一遍入滅場面など、いろいろ興味深い図像があり、よくわからない人道場面が描かれた「二河白道図」もあった。さらに本体の一遍聖絵もこれまで意識していなかった図像を大量に見つけることができ、やはり実物はすごく、明治の模写も興味深いものだった。また各地の時宗寺院から仏像類が出品されており、京都五条大橋西詰から戦時中の道路拡張で長浜に移転したという新善光寺など当方の知らない事実を知ることができ、兵庫真光寺に神戸空襲で焼けた一遍上人像があったというのも不勉強ながら初耳。小さいながら「遊行上人縁起絵」が掲載されていたこともあり図録も購入。眼福で帰路についたが施設から電話。まだ意識はあるが時間の問題か。おかげで有給を申請した明日の診察はキャンセル、こちらも微熱が続いており健康診断にでも使おう。