wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師・研究員などとして生活の糧を得ていますが、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

「スープとイデオロギー」

本日は中百舌鳥定期試験、受講者36名で3名のコロナ欠席の連絡。追試でまた出かける必要があるかもしれないが、とりあえず水曜自由時間の最後ということで、表題の映画を観覧。済州島出身で総連の活動家として息子3人を北に送り、仕送りをし続ける母(オモニ)が、4.3経験を監督である娘に打ち明けたという、ドキュメンタリー・タッチの映画。監督の映画は初見だがどっちつかずの感を抱いたところ。済州島出身の両親のもと大阪で1930年?に生まれ、45年3月空襲の後に帰郷し、医者の息子と婚約するも、4.3で息子は山に入り死亡、本人は幼い弟・妹とともに密航船で大阪に戻り、同じ済州島出身の男性と結婚というオモニの前半生を描くなら別のやり方があっただろうし、冒頭のシーンが回収されていない。むしろそれを知った監督本人を主体としたかったようには見えるが、韓国から4.3真相追求委員会(正式名称ではない)を招いてオモニにインタビューを受けさせた経緯(ナレーションによるとそのあとにアルツハイマーを発症したとのこと)、オモニを連れて済州島での追悼集会に参加して先のインタビュー関係者を前にしての監督本人が映像に登場しての意味不明の独白(どうみても仕込まないと撮れない映像にもかかわらず、ドキュメンタリー風にみせている)は、やはり別の方法があったように思える。貴重な記録で、鶏一羽にニンニク・ナツメなどを詰め込んでつくるスープも美味しそうだっただけに残念。

映画『スープとイデオロギー』