wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師・研究員などとして生活の糧を得ていますが、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

小野塚知二『経済史』

本日はこの前の日曜日の代休で久しぶりの風呂掃除・散髪など。ただ8月は試験一つと姫路のみ(これも今の予定では3日)。東大史料に行きたかったが、外部閲覧者の条件が大改悪されてしまったため、電車読書の残りを片付け。刊行時に書店で見かけたのだが、値段のこともあって逡巡してしまい、6月の大阪歴史科学協議会大会での話しが興味深かったので(日本政治の将来展望は絶望だったが)、購入してみたもの。経済成長は人が際限のない欲望を備えた動物であるが故として、それが規制されるものから(前近代)、徐々に解除され(近世)、森林資源という制約を突破した(近代)ことで飛躍的に拡大し現代の環境問題の危機に直面するまでを描かれる。しかも数字を多用することなく、むしろその限界を認識するとともに、共同体的規制、国家・家族形態の変化など、狭義の経済史では除外されるファクターを盛り込んだ全体史ともいうべきもの。一人の執筆者の手による一貫した論理による驚嘆すべき著作で、これを日本語で読めるのは大変ありがたい。これから秋の講義資料を手直し。

経済史 | 有斐閣