本日は枚方対面3コマ。朝目覚ましのかけ間違えでゆっくり寝てしまったが、帰路はグッタリ。ただ表題書は読了、民俗学者がどのような視点でまとめたのか興味が惹かれたので購入してしまっていたもの。最初の中世以来の鳥料理の紹介はいろいろ勉強させてもらったが、全体として当初思っていたのととは異なり、将軍の鷹場を近隣に抱えた江戸に視点をおいたもの。そのため高級な武家の鳥料理から近世後期の庶民のものへという図式が描かれるのだが、当然全国で庶民は洗練された料理でなくても食していたことはスルー。江戸周辺では将軍の鷹場保護のため水鳥問屋が限定され、旬を過ぎても目を縫って飼育していたというのも興味深いところだが、幕府の規制とそれをくぐり抜ける侠客の鳥商人を二次史料主体で論じるのは違和感。また文献史の研究を引用して古代以来連綿と続く王権と鷹狩りという構図で叙述されるが、禁野は平安初期までで室町殿でも鷹場をもって鷹狩りなどしていない。水鳥の贈答儀礼は室町からみられるものだが、江戸幕府の鷹場保護、将軍から武家・京都への贈答などは独自のものととして評価すべきだろう(最近、論集がでたがこちらは未読)。最後の手賀沼の聞き取りは著者の独壇場といえるが、「銃の管理が厳しかった江戸時代」だから銃は使用されないというのはどうなのか、多数を捕らえ質の高い商品として販売するためには網猟のほうが合理的だろう。なお多くはこちらの期待が間違っていただけともいえるが、資源が減少した理由として農薬の影響に触れられていないのはどういうことなのか。