船木亨『現代思想講義』

昨日記せなかった電車読書の備忘。六月末に書店で見かけ、未来社会論のうち、有名な社会学者のものよりコスパがよい気がして衝動買いしてしまったものhttp://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480071491/。ただ新書500頁越えは余りにも長過ぎで、哲学的志向を少しずつ読み進めていたため、頭を通り過ぎてしまい最後にたどり着くことだけが自己目的となってしまった。どうも内容は副題に「人間の終焉と近未来社会のゆくえ」とあるように、近代西欧思想が前提としていた理性的人間像はすでに無意味化しており、大衆もしくは群と表現されるものが存在しているだけだとし、これを近代のむしろ必然だと理解するもの。人類史の構図と現状把握についてはそれなりに納得でき、多数紹介されている思想家の解説も難解とはいえないもの。ただ現在のひとの生き方として、①「人並み」に生きること・②「価値ある人物」になること・③落ちこぼれてしまうひと・④「異例のもの」として統計自体から逃げ出ることがあり、④が奨励されているようなのだが、昔はやった話から何が認識として発展したのか結局理解できなかった…。明日は台風。とりあえず父の通院を今日に差し替えることができたため、引きこもって校正に励むことにする。