wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

黒川正剛『魔女・怪物・天変地異』

本日の講義は世界宗教の成立。もともと受講者にもっとも忌み嫌われているテーマの上に、喉の調子も悪く疲れ果てて終わってしまう。本日もニュートンにおける神学と科学の関わりについても取り上げたが、電車読書も副題の「近代的精神はどこから生まれたか」につられて衝動買いしてしまっていたものhttp://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480016713/。好奇心が中世において否定的に捉えられる一方で、大航海時代宗教改革期に増幅する怪異の増殖と魔女狩り、それが近代科学の源泉となる男性の知的好奇心と、詮索好きに押し込められた女性の好奇心というジェンダーによる分離がおこる過程を叙述したもの。ただ疲れた頭での電車読書のちょい読みでは資料の羅列に引きずられ、具体的な過程が理解できないままいきなり結論に至った印象で、深く納得させられるものにはならなかった点は残念。理系には必要な知識だと思うのだが難しいところ…。