wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

「室町期尼崎における材木商人に関する新史料」

『地域史研究ー尼崎市立地域研究史料館紀要ー』第105号(2015年10月刊行)34~48頁に掲載され、本日下のポストで確認。無味乾燥なタイトルになってしまったが、尼崎の材木商人宗義が東福寺造営材木2283貫800文を調達したという中世商業史の超一級史料の紹介を中心に、材木商人の「寄進」の意味、材木流通における室町期尼崎の優越的地位を論じたもの。バタバタしていて関係者にお送りするのは11月になるかと思いますが(抜刷は注文しなかったのでコピーです)、ご了承ください。なお当該史料は京都歴史資料館に通っていた2010年に見つけたもので、2011年3月提出の論文にそのエッセンスは述べ、講義・関係者との雑談ではしばしば取り上げてきた。ただここで何度も書いているように刊行が遅れに遅れ(ようやく来年5月に出るかもしれないとのこと)、その後『新尼崎市史』(これも来年刊行予定とのこと)に概略を書く機会があり、ここに史料全文を紹介したもの。また本稿註22引用史料は2012年2月に東大史料で閲覧したものだが、行事に関わって永享期の在京守護・守護代がオンパレードで出てくるこれまた超一級史料、せっかく今年が式年遷宮にも関わらず紹介される気配もなく、どなたかがしていただければありがたいところ。ちなみに同誌には、高橋明裕「『住吉社神代記』の神領記述の歴史性」2~33頁(さっきめくってたら、全く記憶のない「大村拓生氏のご教示」があったた、加西市史の頃のことだろうか?)・天野忠幸/樋口健太郎尼崎市古代・中世史料補遺(2)」73~154頁・樋口健太郎尊経閣文庫所蔵の杭瀬庄関係文書について」155~158頁・天野忠幸「尼崎市指定文化財寺岡家文書について」159~164頁なども掲載されている。拙稿も含め何れもダウンロード可能http://www.archives.city.amagasaki.hyogo.jp/publishing/bulletin/contents/115.php
*天野氏のタイトルに誤りがありましたので訂正しました。関係各位にお詫び申し上げます。