wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(お仕事募集中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

古野貢『オカルト武将・細川政元』

本日は枚方3コマ。朝は道路が濡れる蒸し暑さ、帰りは猛暑で汗拭きタオルもフル活用。電車読書はネット記事で宣伝がうたれていた表題書。それを読んだときには気づかなかったのだが、他の新書と違い文体はです・ます調。まず明応政変についての政元を、室町時代から戦国時代へのゲーム・チェンジャーとの結論を示した上で、オカルト傾斜について紹介。それを応仁の乱直前に生を享けたエリートとしての挫折の中で、意識的に選択した行動であると評価。それが政変の断行をもたらした一方で、義材を逃した上に内衆と抱えている矛盾のなかで暗殺されるに至ったが、副題にあるように、室町を戦国に変えた「ポスト応仁の乱の覇者」と結論づけたもの。昨今の情報量の多い新書と異なり、文体も含めてわかりやすさを追求した人物評伝で、最初の入門書としてこれはこれで一つの方向性かとは思う。なお明応政変について、最近は一定の評価を得ていると思われる家永遵嗣説に触れないのは何か理由があるのだろうか。

朝日新聞出版 最新刊行物:新書:オカルト武将・細川政元