本日はルーティン姫路。館は来週いっぱい休館になっているのだが、職員は普通に出勤。こちらも外部を招聘した研究会は中止になったが、業務は通常通りでいまは紀要の編集。そんななかで新書版とはいえ、478頁ある表題書をようやく読了。ただ一応は「中の人」に分類される当方にとって内容はわかりやすく、シラバスにはじまる1990年代後半以降の「大学改革」の空虚さを順々に説いていくもの。当方もはじめて非常勤講師として教壇に立った1997年には、シラバスは書いていたが、まだ祝日はカレンダー通りで回数も固定されておらず、休講も可能だった。それがどんどん縛りがきつくなるにも関わらず、給料は上がらず(回数で考えると私学は切り下げといってよい)、今に至る。本年も「総合的に考えて、この授業を受講してよかったと思いますか」で回答したポイント平均が3.0未満という理由で、反省文を書かなければならない。異なる分野にもかかわらず一年生の大半が受講するカリキュラムになっており、その分だけ外枠の縛りもきつい(当方も含めて後任がほとんど非常勤になったので、カリキュラム改革すらできないだろう)。おかげでこれまで3年連続で反省文を書いても、翌年の受講者もほぼ変わらず、気分を害するための儀式化しており、専任が研究室のHPで可能なためか、画像アップなどのインフラも整備されていない。本書112頁で私立SK大学のポンチ絵がでてくるが、同じようなものをみた記憶があり恐らく経営工学の発想。そのあたりも掘り下げてもらえればよりよかった。筑摩書房 大学改革の迷走 / 佐藤 郁哉 著