wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師・研究員などとして生活の糧を得ていますが、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

隠岐さや香『文系と理系はなぜ分かれたのか』

本日は千里山。春から続けている史料講読を先週からテキストを書き下しから一・二点に変えたところ(中身は旅引付で、シラバスにも明記し、秋の最初にも通告はしてある…)、本日は三名も無断欠席…。来年度も担当することになっているのだが、必修を外れたという事情もあるようで、春先から刃がこぼれるように受講者が減っていくという状況はやはり寂しい…。そんななか電車読書は著者の評判(『現代思想』の大学特集で読んだことがあり、非常勤でご一緒している大学院の後輩という方も優秀だと仰っていた)とタイトルに釣られ、衝動買いしていたものhttp://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000312507。中身はギリシア・ローマから西欧の学問史を概観し、「神の似姿である人間を世界の中心とみなす自然観」から「客観的に」物事を捉えようという方向と、神(と王)を中心とする世界秩序から離れ、人間中心の世界秩序を追い求める方向性という二つのベクトルを抽出し、日本の近代化、20世紀後半以後の欧米での産業の動向と学知、ジェンダーによるバイアス、学際化のもたらしたものを文系・理系という枠組みの固定化と揺らぎのなかで叙述される。成立期から現代までの学問をめぐる論点がてんこ盛りされ、しかもわかりやすく整理されており大変勉強になった。むしろタイトルが内容を矮小化しているように思える程で、やはり飛び抜けて優秀な方はいるものだと思う。明日・明後日は国会図書館本館、佐倉はやはり無理そう…。