wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

町田明広『攘夷の幕末史』

昨晩は風呂から上がってからひげをそり忘れたことに気づき、今朝は鍵の場所がわからずに予定の電車に乗り遅れてしまった。体調は改善しているはずなのだが、物忘れが激しいのは、年をとったせいか。おまけにJR西日本の電車遅れさせネットワークに引っかかり、あやうくタクシーでないと間に合わない時間になりかかる。幸い接続電車が待機していたため事なきを得たが、ほんとうに朝からついていない。途中の駅員にダイヤを変えろと文句を言ったら、自分たちをそう言っているとこたえていたが、どうなることやら。今回も阪和線の特急遅れが原因で、線路を増発せずに快速を環状線に乗り入れるからとばっちりを受けたもの。さて本書は幕末の基本思想は攘夷であったと開国派とされている岩瀬忠震勝海舟らの思想を解説した上で、政局を通商条約で国力を整えてからの「大攘夷」と即時実行の「小攘夷」の対立と捉え、長州藩がもっとも過激化した時期の事件の詳細を述べて本論は終わる。奇兵隊の他藩に勝手に乗り込んで居座り、気に入らないとなると暗殺するというどうしようもない状況は興味深かったが、「大攘夷」が近代につながっていくという展望だけでは中途半端に思える。征韓論の流れから見てどの勢力が権力の中枢を握っても対外膨張に向かったと考えられるが、長州が担ったのは最悪の選択だったようにも思える。日本で対外的緊張がクローズアップされると実現不可能な強硬論がのさばるのは、この間の新聞吊り広告に見ていると実感されてしまう。http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2880695&x=B