wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

奈良国立博物館「空海」

本日、朝1中百舌鳥の帰路に立ち寄る。外は7割以上がインバウンドだったが、中はその逆ぐらい。タイトル通り、空海その人にこだわった企画で、修理されたという高雄曼荼羅(前期は胎蔵界)など9世紀のものが盛りだくさんで、自筆本も多数。同時代のジャワの寺院跡から発掘されたという密教関連の仏像・法具も興味深い。また建久5年の「胎蔵図像」は、園城寺で治承五年三月二日に請け出し、養和元年七月十八日に完成、元暦二年二月廿八日に校合したという奥書があり興味深いところ。また地名辞典にもとられていたが、承安二年書写の「十住心論」は、永正六年三月に「境常楽寺多聞院弘賢」の所持奥書がある。塀で囲まれ、門前に群集が描かれた神泉苑がみえる「山水屏風」も興味深い。なお珠洲市法住寺蔵の鎌倉期の「不動明王坐像」の震災を乗り越えたとのこと、よくぞご無事で。

https://www.narahaku.go.jp/exhibition/special/202404_kukai/