wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

神戸市立博物館

非常勤先の飲み会に誘われて三宮へ。ちょうど招待券を頂いていたこともあって、開始以前に神戸市立博物館に寄り、「美術のなかの交易ー南蛮屏風から長崎唐館交易図巻までー」・「神戸で秀吉に出会う旅」を熟覧するhttp://www.city.kobe.lg.jp/culture/culture/institution/museum/main.html。前者は南蛮人・オランダ人・唐人などに関する戦国末から近世にかけての図像史料と、近世都市長崎に関する鳥瞰図などが展示されている。じっくり見ることで南蛮人・オランダ人たちはほとんど荷物を持っておらず、従者と思われる黒人・東南アジア系と思われる人々の役割であったことがよくわかる。彼らが日本での活動はほとんど意識されていないが、かなりの数に上ったものと考えられ、衝動的に以前の図録まで購入してしまう。長崎の絵図も蔵が克明に描かれるなどいろいろ興味深いものがあった。後者もなかなかのもので、制札も多数みることができ、有馬温泉縁起については珍しく文字を熟読してしまった。残念ながら秀吉に関わる部分しか開いておらず(それでも町屋を65立ち退かせて「壊料」が支払われたとか、地震で温泉の吹き出しが代わったとか、平氏に関する伝承とか興味深い情報はあった)、それ以前の状況が気になるところ。また三木城攻めの絵図が作成され(城は石垣・天守閣で全く後世のもの)、現在まで絵解きされているようで、いつ成立したのかが興味深いところ。神戸市博はほとんどが欧米とのタイアップ展示で、今回の企画展もオフ・シーズンの間に合わせともいえるが、コレクションは豊富であり神戸市域も文化財豊富な歴史豊かなところで、市史を契機に少しでも独自の展示活動が行われればと願うところ。飲み会ではどういうわけか、小さなブーケを頂く。いつぶりかわからない花のある光景が部屋に出現する。