wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

野本寛一『生態と民俗』

遅ればせながら某文献目録により購入し、本日までに読了するhttp://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=1598732。巨樹・アカマツクロマツといった木がつくりだす生態系と人による利用と伝承、ハブ・鹿・猿・蛙・狼・鮫といった動物をめぐる生態系と民俗伝承、「旬」のみの利用が環境保全につながること、浦島太郎・桃太郎・花咲爺・猿蟹合戦など昔話と動植物の生態と民俗との関係などが、フィールド調査の成果をもとに紹介されており、いろいろと勉強になる。なかには自分が高校生まで過ごした町の事例が取り上げられており、あの頃に知っていれば聞き取りも行けたのにと、ないものねだりの感想を持ってしまう。文献史学の道を選んだものとしてはこれをベースに何ができるか追求しなければならない。昨日は某学会大会があり、中世史部会も無事?終わる。別に委員でも何でもないのだが何となくご意見番のような位置を長らく占めてきた。身を引こうと思いながらも独り身の気楽さから関係してきたが、非常勤により「教え子」が出てきた今年ぐらいが潮時かも知れない。