wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

篠原初枝『国際連盟』

著者のことは知らなかったが、あとがきの謝辞に出てくる研究者名と著者略歴にある研究書のタイトルにひかれて購入・読了してみるhttp://www.chuko.co.jp/shinsho/2010/05/102055.html。連盟の概説としてはまとまっていたが、国際関係全体の中での位置づけには不満が残る。「国際連盟創立当初、ソ連国際連盟に批判的であり、その一方で国際連盟ソ連を封じ込めようとする反共的性格を持っていた」(223頁)と忘れたころに触れているだけで、連盟成立時はウィルソン単独で叙述がされ、レーニンが全く出てこない。ギリシアが難民150万人を受け入れたとするが(125頁)、その背景にあるトルコとの住民交換には触れられず、なぜ人口500万人の国がそれほどの難民を受け入れたのかがわからないだけでなく、第1次大戦後の民族問題と国連との対応という視点を抜け落ちてしまっている。日本人のエピソードには知らないものが多かったが・・・・。今日は総合資料館に寄らずに家に戻り、学生の提出物のチェックと授業準備に取りかかる。今日中に来週前半分の片付けと試験問題作成、明日に原稿書き、土日は山梨というスケジュールを決定する。かなり無理があるとは思いながら、やはり外せない。あとでつけがこなければよいのだが・・・。