wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

内田博文『治安維持法と共謀罪』

本日は六甲第四クォーター5回目。調べ物で図書館を三ヶ所めぐり、ようやく全体の縄張り構造が理解できた。講義科目が修了していないため電車読書のほうは近現代史を優先、書店で衝動買いしてしまったものhttps://www.iwanami.co.jp/book/b330652.html。著者は刑法学の研究者のようで、治安立法の変遷が戦前・戦後を通じて紹介されている。当初の目的だったはずの日本共産党が壊滅した後も予防拘禁など立法が強化されていくのは興味深いのだが、その推進主体がはっきりせずもどかしいところ。また戦後について少年法の保護観察と、精神疾患の保安処分について触れられているのだが、警察主体ではなく本書で触れられている脈絡が不明。そのわりに破防法については全く説明がなく、共謀罪批判へと議論が進む。構成など全体に不親切でもう一つ当方には理解できず、ネタとして役立つものもなかった。一月もやはり慌ただしく、昨日回収したレポートの採点(200人弱)、六甲の講義準備二回分、校正二件(予定)をこなしながら、通常業務を回さなければならない。