wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

坂本ひろ子『中国近代の思想文化史』

この土日は東京で科研研究会。当方の報告は全く形になっておらず、締切を考えると頭が痛いが、いろいろな方々と専門的なお話ができてそれはよかった。皆様ありがとうございます。最後にサプライズがあったが、いち早く気づかれたようで安堵しました。そういう中、行きの新幹線でようやく読了したのが本書https://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn1605/sin_k891.html。余り頭が働いておらず、内容も多岐にわたっているため、クリアに書けないが、清朝末期から中華民国までの歴史と思想状況が重ね合わせて論じられており、いろいろと新しいイメージをえることができた。とりわけ1920年代の多様性は興味深く、混乱というより新しい状況に向けての躍動期として、すでに治安維持法による弾圧が始まっていた同時期の日本以上に活性化しているという印象を持ち、このまま思想交流が進めばと未発の可能性を感じざるをえない。その一方で中華人民共和国期は展望というには分量が多すぎ、かといって尽くせていないという感が強く、50年代までで止めておくべきだったように思える。毛沢東のことなどいろいろ気になることは多いが、疲れもあり本日は簡単な備忘で留め置くことにする。それにしてもまたまたクーラーに弱くなったようで、研究会会場では一人鼻水を垂らす為躰。風邪をひいていないことを祈るばかり。