wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

島田昌和『渋沢栄一』

昨日は恩師の著作集完成記念会が関係者の出席のもと行われ、久しぶりのかたがた多数にお会いすることができた。いろいろあったがようやくこの日を迎えることができ一安心するとともに、これだけ尽力したものだから少しでも売れてほしいと願うところhttp://www.bunrikaku.com/book1/book1-635.html。残念ながらみなさん忙しく茶店で雑談の後は流れ解散になったが、某先輩と二人きりで昔のような濃密な時間を過ごすことに(笑)。お互いに少しは頭の整理ができて、それはそれでよかったのだろう。それはともあれ久しぶりに電車に乗って読みかけの新書があと少しになったため、本日家で読了してしまったのが同書。中断していた時間が空きすぎたこともあって、まとまった感想は記すことはできないが、近代日本の財界人として著名な渋沢栄一(1840~1931)の詳細な伝記。日記・書簡などが多数残されているようで、それを丁寧に読み込んでかれの思想・行動を丹念に跡づけた仕事で、末尾の年譜とともに辞書として利用することができる。また同族会による運営や閨閥の重要性など、近世から続けられる商家の経営形態が、農民から幕臣・留学を経て維新後に活躍というような立身出世組にも通底していたことは興味深かったhttp://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn1107/sin_k601.html