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日本中世史専攻、大学非常勤講師・研究員などとして生活の糧を得ていますが、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

尼崎市立歴史博物館「花開く江戸絵画ー城下にぎわうころに」

昨日で三週連続の研究発表(講演)が終わり、少しだけ息継ぎ。というわけで表題の展覧会の観覧記録。主題は四つで、①館蔵「洛中洛外図屏風」は左隻下側に聚楽第行幸を描き、右隻下側は下京から東寺、上側は右隻の伏見から東山を北上し、左隻で嵯峨・西院に至る風変わりな構図。②館蔵「犬追物図屏風」は対として描かれたとされる福井県立美術館蔵本とセットで展示。③久隅守景の娘で「清原氏女雪信」と署名する尼崎で暮らしたとされる画家の作品群、古典を題材とした淡い色使いが特徴的。④『太平記』18巻11にみえる後醍醐一宮が土佐に流罪となり、御息所が迎えの秦武文とともに向かうが、尼崎で松浦五郎に強奪され武文は切腹、鳴門の渦潮で海神となった武文により立ち往生したため、御息所が解放され沼島に渡り、一宮が都に戻り御息所も発見され再会するという物語が謡曲「新曲」に。それを30の扇面にしたものが館蔵品にあり、時宗海岸寺には秦武文縁起が実在し、戦国期から武文由緒が語られ墓もあったという。太平記の物語は30日の報告でも扱ったがこっちは全くノーマーク。縁起は「元弘二年二月十五日作」で文明七年八月六日の大波で損亡したが、正保二年五月日に清書されたとされ、内容も摩訶不思議だが図録も購入。なおちょくちょく展示替えのある常設展示では天龍寺関係の館蔵品と、「浜境目」相論に関わる寺岡家文書も展示。

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