wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

東京国立博物館「京都大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ」

本日の講義は休業日、ということで国会図書館で刀剣雑誌めくり。ただせっかくなので朝6:43発の新幹線に乗り表題の展覧会を観覧https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1914。周辺とはいえ二本論文を出しているという事情もある。表題にあるように鎌倉仏がメインで、室町の巨大建築経王堂の説明もなかった。とはいえいくつかの絵画史料が展示されており、江戸初期の渡月橋がないバージョンの「洛中洛外図屏風」も確認。また応永の北野社一切経いくつかとともに箱を実見できたのは成果。なお鎌倉の大報恩寺六観音菩薩は肥後法橋定慶の作で、施主は肥後前司藤原以久とその妻らしい。展示されていなかった縁起を確認する必要がある。入りはそこそこだが並ぶほどではなく、特展としては小規模と感じた観覧客もいたよう。なお外国人がほとんどだった常展には江戸初期の平家物語図屏風(福原の平家館が独特)、備後太田荘関係の宝簡集、中世の刀剣類などもあり眼福・眼福。