wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師・研究員などとして生活の糧を得ていますが、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

佐橋亮『米中対立』

本日は公務出張で淡路島。朝は一時間ほど雨の中自転車、太陽に照りつけながらのぼる坂道など、かなり疲れたがようやくイメージはつかめてきた。いつもと違って帰路は眠くならなかったため表題書の備忘のみ片付けておく。秋の講義の締めがなかなか決まらないまま(とりあえず対面の方針)、衝動買いしていたもの。国交正常化からバイデン政権までのアメリカの対中政策を跡づけたもので、2000年代まで積極的に便宜を図る関与政策が主流だったが、貿易戦争(市場としてコミットしていた経済界の転換)・露骨な人権侵害がリベラルから宗教右派まで幅広い結集をもたらし、強硬政策に転換していったとして、最後に今後の行方と日本のとるべきパワーと価値観(自由で民主的な社会)の連立方程式が展望される。アメリカのさまざまな利害関係者の動静が示され、全体を理解する上で有益。ただ90年代には経済は日本(中国を標的とした大統領選のプロパガンダCMも、かつて日本版があったと記憶する)、国際政治はイスラームとの対立が強調されていたはずで、そのあたりの変化もみたかったところだが、無い物ねだりか。それはさておき地球温暖化問題が最優先される国際社会は実現されそうにないようだ。

米中対立|新書|中央公論新社