先週土曜日出勤の代休などもあって今週は火水木と三連休。ただ雑用が多くその一つが手放すことになった実家の電気・水道のために残してあった銀行口座の相続手続き。おかげでいろいろ待たされたため、講義で生活史を取り上げていることもあって購入していた表題書をようやく読了。学校資料・文集・個人の日記などを用いて、大多数が小学校を卒業するようになった第一次大戦ごろから戦時体制下の国民学校まで、都市・農村、親の階層差、男女別などの諸集団に属する子どもと親が、学校教育をどのようなものとして意識して取り組んでいたのかを説得的に明らかにしたもので大変勉強になり講義にも有益。また手伝いにおける農業労働の男児・家事労働の女子、双方に見られる子守などが統計的に示されている点は、「家」成立以後の前近代社会を考える上でもありがたい。そのような環境のなかで子ども自ら学校を選び取る一方で、少国民化の前提となっているというパラドックスも興味深いところ。なお著者が沢山美果子・成田龍一・牧原憲夫・森田伸子の五人で「子ども史」という研究会を行っていたというのも驚きで、沢山氏の解説も勉強になった。てっきり近世史の方だとおもっていたが近代史でもすごい仕事をされているらしく、そちらも読んでみたいもの。