本日は某学会。科研系の研究会は何度か参加したが、この手のものは2019年の日本史研究会以来で、お久しぶりの方々とご挨拶を交わして、頂き物もいくつか。お祭り感が少し戻ったが、飲み会がなかったのはやはり残念・・・。そういうわけで読みさしになっていた表題書を読了。原著は1998年刊で、近代の大阪朝鮮人史に関する古典というべきもので、図表も講義資料として利用したこともあったのだが、文庫化ということで購入したもの。そういうことで概要は理解していたが、改めて印象に残ったのが、代書屋を営んでいた落語家、新聞記者、大阪市社会部といった、日本人からの視線。乗客5人分の船賃で故郷済州島に帰った遺体。学部時代に関わりのあった近代史教員(最後の手紙をいただいたのだが、結局返事を書けないまま亡くなってしまわれた・・・)が著者へのするどい批判者として登場するのも感慨深い。なお著者はもともとドイツ近現代史専攻で、今里にお住まいというのも、この課題に取り組む契機になったとのこと。