wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

伊藤聡『神道とは何か』

今朝はまた地下鉄御堂筋が先行列車がつかえているとして何度も停車を繰り返す。天王寺でもかなり待たされたので一か八か動物園前で堺筋線にぎりぎり飛び乗り、何とか事なきを得た。天王寺発を間引けば少し混雑するぐらいで問題ないはずなのだが、車両退避スペースがないためわざと渋滞をつくり出している始末。終電延長よりも定時運行こそが重要なのだが、実際に乗らない人気とり市長では改善されることはないだろう。おかげで朝からバタバタしたが、電車読書のほうは名前のみ専門書で知っていた著者の新書を見かけたので購入してみたものhttp://www.chuko.co.jp/shinsho/2012/04/102158.html。文学研究者と思っていたらもともと東洋哲学専攻らしいが、神仏分離をプロローグにして古代の神祇から近世の国学までの思想的展開が整合的に論じられている。とりわけ中世神道説の展開について、最新の研究状況をまとめた概説書として、専門性を維持しながらわかりやすくまとめられており大変勉強になった。また中世に神祇信仰が仏教思想を取り込んでいったことで宗教に変貌を遂げ、その画期が15世紀前半にあるというのは非常に興味深い。たまたま今度の報告もその時期を取り上げることになっており、この時期の重要性についていろいろな角度から考えていく必要があるだろう。