wsfpq577’s blog

日本中世史専攻、大学非常勤講師などで生活の糧を得ていますが(求職中)、ここでの発言は諸機関とは全く無関係です

遠藤慶太『六国史』

今週から講義も始まり、7月までのルーティンが確定。月曜3限大阪史300名強・4限史料演習16名、火曜2~4限情報管理史計160名ほど、水・金が姫路14.5h。講義は大教室が1年生中心ということもあってか初回はわりと静かで、準備も昨年よりも楽そう。ただ5時半起床にはまだまだ慣れず、水曜夜は惚けて過ごし、本日もすでに気力は切れてしまった。座席を確保したらほとんど寝てしまっているのと、史料集を持ち歩いていたため、久しぶりの電車読書の紹介。火曜授業のからみもあって衝動買いしたものhttp://www.chuko.co.jp/shinsho/2016/02/102362.html。本文は4章構成で、『日本書紀』、桓武で分断される『続日本紀』・『日本後紀』、平安宮廷を描いた残り四つ、私撰国史・中世卜部氏・近世以降の展開からなり、実証に徹した手堅く要点を得た解説となっている。とりわけ平安後期以後の展開は書誌学的研究を重ねてきた著者の得意分野で、『日本三代実録』を書き換えた卜部氏、幅広く収集した三条西実隆の重要性が再認識できた。また『日本書紀』の特質を示した表は初学者にもわかりやすく、早速授業で使わせてもらうことにする。それにしても昨晩の地震は直下型としてはかなり大きいもののようだ。被災された方々に何もできない身として徒にお手を煩わせることはしませんが、一刻も早い平穏の恢復をお祈り申し上げます。